3つの同好会4
やれやれという感じで芹沢先輩は軽く溜め息をつきながら俺に、彩坂さんには余り深く関わらないよう嗜めてきた。
何でも『超能力研究会』こと『工ス研』は以前は10人位部員がいたらしいが、皆彩坂さんにこっびどく振られて辞めて行ったとのこと。それまでは仲よくしてたのが突然「貴方は違う」と、言われてメール等をブロックされ、ガン無視されるらしい。
色んな人と確執を生んでるし、変わり者や男たらしみたいな噂も広まって孤立してるから、美人だからといって近づくと後悔するぞと言われた。
間違って工ス研にサインしたことは、顧問に言っといてもらえるらしく、とりあえず今日は『心理学研究会』こと『心理研』のレクチャーをするとのことだ。
「まず堅苦しく考えないでくれ。この同好会は心理テストや推理ゲームをネットで探して来たり、データをとって新たに心理クイズを作成して部員や友達と遊ぶのがメインだ。心理学と言ってもいわゆる通俗心理学だから本格的な学びじゃ無い。まだ作成中だがいずれサイトや動画で自分達の作品を発表するのが目標だ。
部員は俺と同じ2年生があと2人、水野と茶川。今日あいつらバイトだから明日紹介するよ」
「心理テストってどんなテストなんですか?」
「そうだな、ブリント有るから実際やってみるか」
「は、はい」
手渡されたプリントには質問が10個位書いて有った。
そういえは昔、こんなのやった記憶がある。確か自分の本音が解るとかいうやつだ。
ベン立ての鉛筆を借りて①問目を____
「書けました♪」
「書けたか。心理テストと言っても一応これは遊びだから真面目に受け止めなくていいからな。例えば①問目『夏休みです。遊びに行く畤どんな服を着ていきますか?』で他人にどんな風に見られたいかが解るんだ」
_あれ?鉛筆は?先輩何の説明してるんだ?
「比礼の答えは『可愛い服。だけど余り目立た無いの』だから...人に可愛く見られたい、目立ちたがりには見られたく無いって感じかな...どうだ当たってるか?」
「あっ!テスト...終わっ...ますよね...」
「次『ビーチで寝てると海の中から手を振る異性がいます。どんな人ですか』これはズバリ工ッチしたいタイプだ」
「え?あ、まさか...」
「比礼のタイブはだな『背が高くて優しそうな人。ノブくん』え?俺?」
「あ~わゎゎゎ~ち、違うんです!!これは、俺が書いたんじゃ無いんです!!」
やばい!先輩少し椅子を引いたぞ!もうこの場でコイツのこと告白しないと誤解して不味い状況だ。頭の中のコイツは心理学的問題かもしれないし、どちらにしても先輩にアドバイス貰うつもりだったから今言おう。いや、今を逃すと終わりだ!
「実は先輩...聞いて下さい!!俺子供のころから人に言えなかった悩みが有りまして...心理研入部したのもそれが理由でして…」
「?!......お前の家庭事情なら少しは知っている。何か抱えているのか?俺で協力できることなら相談のるぜ。言ってみな」
「ありがとうございます。えっと…」
…最初何て説明すればいいんだ?急なんで、話す内容が整理できてない…落ち着け。ゆっくりでいい…
「あっ…自分が変だと思われたく無くて昔から言えなかったんですが、実は俺...」
「うん」
「ずっと前から…」
「うん」
「あなたのことが好きでした~♪」