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メモリーロブシスター  作者: =563=
6/16

3つの同好会1

正門を抜けると第一校舎が有り、渡り廊下を挟んで一回り小さな第二校舎が立っている。第二校舎の奥はグランドや部室棟が有り、スボーツ系クラブの部室は大概この部室棟に入っている。

文化系の部室は第二校舎に音楽室や美術室などが有ることからこの中に作られているらしい。俺もまだ学校の中を隈無く見て回ったわけで無いので聞きかじりの憶測だ。

第二校舎に近づくとグランドから掛け声や『カキ一ン』という金属音が聞こえてくる。これらの音が上から響いてくる管楽器の『ヴオー』という低音と交わって、放課後ならではの不協和音を奏でている。


校舎に入る前に一応確認ごとをしようとして頭の中に問いかけたが返事が無い。


校舎に入って階段を登り3階に着くと、とりあえずどちらが部室になってるか確認する。手芸部の札が見えたので、この並びが文化系の部室だろうと判断して歩いてみる。多分あの突き当たり非常階段手前の部屋が『心理学研究会』だろう。

途中漫画部の表札が見えた。本当なら今日はこの部屋に入る予定だったが…。

数人出入りしてたので、チラッと中を覗くと結構な人数がいる。友達作るにはこっちでも良かったかなと一瞬思ったが、自分は漫画描かないので(俺の知らないとこでは描いてるが)すぐ否定した。

お目当ての部屋の前に着き、どう挨拶しようか、どんな人が居るんだろか、など考えて少し緊張しながらノックした。


「はい」


女性の淡い声がした。


「失礼します」


扉をゆっくり開き中を覗いた。中は10畳位で思ってたより広い。正直、同好会だからもっと物置みたいなのを想像していた。

右側にホワイトボードや何か書いた紙が何枚か張られており、左側は三段のスクールロッカーが置かれている。

ロッカーの上の本立てに『恋愛心理』だの『心理ゲーム』だの書かれた書物が沢山見えたので、ここがお目当ての部室に間違いない。

正面の窓の前に首からロングチェーンのアンティークペンダントを掛けた女性がひとりバイプ椅子に座っていた。他は誰もいない。


「あっ、にゅぶ、入部希望です」


緊張で少し噛んでしまった。


「こちらにどうぞ」


優しそうな笑顔で手をかざしてくれた。

サラサラの長い髪に凛とした顔立ち、背が高くてスラッとしてて、スクールセーターがよく似合う女生徒。正直すごい美人だ。

これは緊張して噛むのは致し方ない。噛まない人の方がおかしい。


「この紙にクラスや名前書いてくれるかな。あ、こっち来て座って」

「は、はい。失礼します」


窓側に近づき机一つ挟んで向かい合わせで座った。

何だこのいい匂いは?何ですか足組んで顎に手を当てながら、上目がちにこっち見ないで下さいよ。

だめだ!緊張が増している。書いてる字も踊ってるし…次、何か話かけられたら100バーセント噛む自信が俺には有る。


「書けた?」

「きゃけました」


やっばり噛んだけどうまく誤魔化し通した。

目の前の美人さんは、何回か左右に小首を傾げながら黒目がちな瞳で繁々と眺めてくる。俺は真面に見れないので少し顔を伏せながら何かしゃべらなけれぱ間が持たないと焦っていた。


「人と目を合わせるのは苦手なタイブ?」


少し困った口調で聞いてきた。

これはあれかな心理研究会ならではの質問なのかもしれない。ここは真面目に答えなければ。


「はい。その、人と目を合わせてしゃべるのは昔から苦手で...何と言うか目を合わせてしゃべると自分の考えていることが相手に悟られそうな気がして、その…嘘というか、秘密みたいなのが…」

「合わせてみて」

「えっ?!」

「怖がらずに私の目をしっかり見つめてみて」


言われて頑張って目を見つめる。肌が綺麗だ。薄い眉毛は左右整えてる。スゲェーまつげ長っ!


「違う!もっと目の奥!」


そう言うと美人さんは立ち上がり、顔をグッと近づけて来た。オデコとオデコがあと数センチで触れそうだ。


「そのままジッとしてアイリスの内!瞳の奥に焦点を合わせて」


頑張って目の中の里い部分に集中する。こんなに目を間近に見たの初めてだ。鏡で自分のすらこんなにマジマジと見たこと無い。

この人の鼻から漏れる息が薄らっと顔に感じる。自分の息も掛かってるのでは...うわっ!申し訳ない。俺の方は嬉しいが迷惑だろうから息止めとこ。てかっ顔が熱い...だめだ恥ずかしい。もう離れたい…


「今、『恥ずかしい。離れて欲しい』と思ったでしょ」

「えっ?!」


顔を遠ざけて思わず声がでた。


「君の瞳の奥を覗いて心の声が届いたの」

「そ、そうなんですか...すごい...」


俺が少し放心してたらこの人は、少しピンクに染まった自分の顔を手で仰ぎながらイタズラっぼく笑った。


「謝るわ。ジョークよ。顔を近づけすぎて恥ずかしかったから君も同じこと考えてるかと思っただけ。でもねテレバシーってまずこうやってシンパシーを感じるとこから始まるのよ。互いに同じ行動、生活などしてたら相手が次何を考えるか解るようになる。一卵性双生児の人達なら遺伝子も一緒だからテレバシーはけっこう簡単に手に入る能力らしいわ」


テレバシー...か、なる程。相手の心理を読む究極の方法を研究する活動なのかもしれない


「えっと、ヒレイくんって読むのかな?君が何の能力に興味が有るか知らないけど。これから一緒に訓練して、君の隠れた潜在能力を引き出していきましょう。あっ!ごめんなさい、紹介遅れたわね。私この同好会の唯一の部員で彩坂(あやさか)樹絵里じゅえりって言うの。よろしく」

「えっ?ひとり?芹沢先輩は...」

「ようこそ『超能力研究会』へ」

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