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国際人工島 学園都市サントル  作者: あかねこ
一章 入学前
7/12

7 寮生活初日

「ここだね。」


「さあ入ろうよ、愛留ちゃん〜。」


「うん。」


ボクと立花(たちばな) 梨里奈(りりな)は、現在寮の自室にやってきている。

高級ホテルのような見た目どうり途中で通った食堂は、豪華なシャンデリアが幾つもあって綺麗だった。

ボクたちの部屋は、二人部屋で入った先には、まずリビングがあって、丸いテーブルが置いてあった。奥の壁には、結構広めのベランダがある。部屋の左右には扉があって、中に入るとベッドやクローゼットが置かれていた。

個室があってよかった。なかったら緊張して寝れなかったと思う。着替えとかも恥ずかしくて出来ないし。

あと、ドアの直ぐ横には二つの部屋があって、片方がトイレでもう一方がお風呂だ。

一通り見てからボクたちは、荷物を置いてリビングに戻った。


「ねえ、せっかく同室になったんだし、お互いに名前で呼ばない?」


「え?い、いいけど...」


「じゃあ、改めて宜しく、愛留。」


「う、うん、よろしく。り、梨里奈。」


ボクがそう言ったら、梨里奈は満面の笑みを浮かべていた。

暫く、ここに来るまでの話をしていたら食堂の時間になった。その頃には、だいぶ打ち解けてきた。


食堂に行くと既に多くの人で賑わっていた。

料理は、食券を選んで交換してもらうタイプだ。もちろん、食券は無料だ。

ボクは、サバの塩焼きと紅白なます、みそ汁、ご飯、と言う和テイストな料理にした。

梨里奈は、洋風のかけるタイプのカレーだ。量が少しばかりおかしかった。何あのご飯の山、みんなびっくりしていたからボクがおかしい訳じゃないよね。


「「いっただっきまーす。」」


ボクたちが食べ始めて少しした時、上の階からふらふらになった大樹が降りてきた。大樹は、ボクの横の席に着いた。おおう、ハーレム男はつらいねえ。


「あ、愛留、助けてくれ〜。」


「頑張れ大樹!」


ボクは、ぐっとサムズアップして言った。

その頃、既に大樹とボクの周りには、人だかりが形成されていた。


「うん、この絵は映える。」


ねえ、梨里奈さん何言ってるのかな。皆も頷かないで。ボクは、男なんだ、見た目は違うけれど...心は、男なんだ。男と付き合う気はない!うん、そうなんだ。


「うるさいぞ!」


あまりの大きな声によって全員がビクッとなって後ろを振り向いた。

そこには、額に青筋を浮かべて笑みを作る事もせずにいる(そよぎ)先生だ。


「お前達は、食事中ぐらい静かに出来んのか!」


『は、はい。』


全員が全員、マ○オがダメージを食らった様に小さくなった。


「ふふふ。」


ボクは、その光景を見て思わず笑ってしまった。

その瞬間全員の動きが止まった。


『きゃあああああああ。可愛いいいいい。』


「うるさいぞ!」


『はい。』


急に叫び出して梵先生に怒鳴られて、マ○オ、以下略。





そんなこんなでなんとか部屋に戻ってきたときには、もうへとへとだった。


「つ、疲れた。」


「まさかこんな事になるとはねえ。」


そう言った梨里奈は、時計を見てから部屋に消えた。

少ししたら部屋から服を抱えて出てきた。


「梨里奈どうしたの?」


「うん?お風呂の時間だよ。お風呂で愛留の裸が、ぐへへへ。」


「ぼ、ボクは部屋のお風呂に入るから。」


「だ〜め。さ、お風呂に入るぞ〜。」


「い、いやだああ。」


ボクは、梨里奈に引っ張られながら部屋を出た。


「せ、せめて着替えを。」


「あ、ごめん。忘れとった。」


ボクは、部屋に戻ってパジャマをとって、戻ってきた。


「さあ、今度こそ行こう。」





来てしまった...お風呂に。

あたりに広がるのは、肌色ばかりの風景。男の体なら興奮の一つでもしていたかもしれない。でも、今ボクの感情は気恥ずかしさ一色だった。


「恥ずかしがってないで脱ぎなよ。」


「う、うん。」


ボクは、梨里奈に促されて服を脱いだ。

直ぐに体にバスタオルを巻いてから、脱衣所をでた。


「きゃあああああ。春夏冬(あきなし)ちゃん可愛いー。」


「え、えっと。」


「行くよ愛留。」


「うん。」


ボクは、急ぎめに体を洗って乳白色の浴槽に入った。


「ふわああぁぁ。」


思わずそんな声が出てしまった。

ちょっと恥ずかしかった。暫く浸かってからそそくさと服を着て部屋に戻った。


「置いてかないでよ愛留〜。」


あ、梨里奈が一緒に居たこと忘れてた。

お風呂に置いてきてしまっていたみたいだ。


「ごめん梨里奈。」


「この世の終わりみたいな暗い顔しなさんなって。さ、明日の準備してから寝よ?」


ボクってそんなに暗い顔していたのかなあ。


「うん。」


パパッと明日必要な物を鞄に入れて、ベッドに向かった。

ベッドは、すっごくふかふかだった。この人工島は赤道上にあるから、一年中夏なので毛布やタオルケットしか置かれていなかった。

ボクは、明日から始まる学園生活に期待を膨らませながら微睡みの中に沈んでいった。

読んでいただきありがとうございました。

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