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国際人工島 学園都市サントル  作者: あかねこ
二章 一学期
12/12

11 担当医の説明と数日ぶりの再開

今回は、大半が前回とかぶってしまいます。とばしていただいて結構です。

「おはようございます。春夏冬(あきなし) 愛留(あいる)さん。」


部屋に入ってきた男性は、ボクに話しかけてきた。


「お、おはようございます。えっと、どちら様でしょうか?」


「ああ、自己紹介がまだでしたな。私は広川と申します。あなたの担当医です。よろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。えっと、どうしてここに?」


さっきエフィーさんは帰ってしまったのでボク一人だ。正直寂しい。


「私は、現在のあなたの状況と今後についてお話しに参った次第です。」


「そうですか。」


広川先生の表情が少し堅くなり視線も真剣な眼差しへと変化した。


「早速ですが愛留さん、あなたは決闘直後からの記憶がありますか?」


キューさんと会った事は言わない方が懸命だろう。言ったら厄介ごとになりそうだ。少しの間その事を考えていたが、思い出そうと頑張っていると思えたようで怪しまれる事は無かった。


「いいえ、ぼ…私は覚えていません。」


「やはり……。愛留さん、これからの話は精神に過大な負荷を掛ける事になるかもしれません。もし心配ならば、簡単に説明して残りは、落ち着いてから後日という事に致しますが。大丈夫であれば全てお話しします。」


「教えてください。」


ボクは、迷う事も無く即決した。キューさんの話でもそんなに驚きもしなかったから大丈夫なんじゃないかという判断に任せた。

医師の視線がさらに真剣味を増してきた。


「解りました。あなたは、ブルームフィールドさんとの決闘の際、『凍華』の負荷軽減限界値を用意に突破しうる高速起動を数分間に渡って行いその影響で毛細血管の破裂や肋骨の骨折による内蔵圧迫と内臓破裂、視力が完全に失われていました。即死しても不思議でない程のダメージを体に受けていました。急ぎ救急搬送されたが心拍数は少しずつ減少し、死んでしまう寸前に体に変化が訪れたのだ。少しずつ皮膚の色が薄くなって、髪が白くなったのです。私はこの現象は死が近づいているのだと思っていました。しかし、あなたの心拍数は平常値まで急激に増加し、壊死していた場所が少しずつ元に戻っていったのです。最早、神の御業だとしか説明の付かない出来事でした。その後、体の変化を調べていった際に、過去の愛留さんの健康状態と比較していたところ体内のあまり使用されていない汗腺や毛細血管の数が減少していたことも判明したのだ。」


「えっと...それはつまるところどういう事ですか?」


「そうですねえ。まあ、凍華の限界を超えて酷使した体が、何らかの影響で回復した、おそらくその際に細胞が変化し体の修復にまわされていたのだと思いますが細胞の数が減少したのです。だから、あなたは現在先天性色素欠乏症...所謂アルビノってやつになってしまっていて、さらに筋力の大幅な低下及び汗腺の減少による体温調整機能の低下が起こっています。」


広川先生の説明は、よく解らないがおそらくキューさんと同じ感じの話なんだろう。

彼は、少し苦笑いをしながら言った。


「要するに、死にかけたら急に元気になったけど、肌と髪が白くて目が赤くなっていて、汗をかき難くなって、低温でも熱中症を起こす可能性があって、言い方は悪いけどひ弱になってしまったんだ。」


ボクは、漸く広川先生の説明の意味が分かった。まあ、いまいちピンと来ないんだけどね。ボクは、なかなか思い通りに動いてくれない首をなんとか上げる事が出来た。そのときに視界に入ってきた自分自身の長い髪をみて吃驚した。いつもの茶色っぽい髪色ではなく、雪の様に真っ白な髪だったのだ。鏡を見ようと視線を向けると、ベッドには自分の姿は無く、真っ白な髪を腰まで掛かるストレートロングにしたウサギのような赤い目をした浮世離れした絶世の美貌を持つ少女がいた。


「だ、だれ?」


ボクは、鏡を指差して広川先生に尋ねた。


「君だよ。」


彼はボクの後ろに来て体をそっと支えて起こしてくれた。その時鏡には広川先生の姿が映っており、この姿が真実であるとボクに訴えかけているようで、思わず鏡から目を逸らした。その様子に微笑みを浮かべた広川先生は、そっとボクを再びベッドに寝かせた。


「じゃあ、私はここで。」


そう言って広川先生は退室していった。

すると、ドアの向こうで話し声が聞こえてきた。一つの足音が遠のいて、残りの足音は近づいてきた。

ボクのいる病室の前で足音は停止して、ドアをおそるおそる開けてきた。


「愛留〜〜!」


「えっ。梨里奈ちゃん?」


「久しぶり〜。もう大丈夫なの?」


「う、うん。」


部屋に入ってきたのは寮が同室の立花 梨里奈だった。


「また一段と可愛くなってる。写真よりも綺麗〜。」


「写真?」


「うん、病室に誰かが押し掛けたら皆がやって来ちゃうだろうってことで、今回の件に関係のあるエフィーさんだけが入室を認められて、他の皆は追い返されちゃったんだ。だから、寝ている愛留の写真を撮って来てもらっていたの。で、昨日目が覚めたから会ってあげてね、って看護士さんに言われてここに来たってことなのよ。」


「そうなんだ…」


学園に行ったらすごい事になりそう……

はあ、憂鬱だ…...此処から出たくないな...

読んでいただきありがとうございました。

次回は来週となる予定です。次から少しずつ話が進んでいきます。

やっとある程度の説明が終了しました。残りは、学園外の説明が少しあるだけです。

遂に主人公が完成しました。これから主人公の容姿が変わることはありません。

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