School
ガラン、ゴロン、という鈍い鐘の音と共に、
紺色の学生服に身を包んだ少年、少女は慌ただしく着席した。
「全員いるな?まずは入学おめでとう。
とはいっても、諸君らは小等部からの進学組。
変わらぬクラス。
何も真新しい事はないだろうな。」
30歳くらいだろうか、赤みがかったショートヘアーの女性が、
教室全体を見渡しながら言う。
「今のところは、だが。」
短く言うと、少し溜めて続けた。
「これから先、このクラスのメンバーは一人、また一人と減るだろう。
そして、3年後に卒業を迎えられるのは・・・
精々半分だ。」
この言葉に教室が騒めき出す。
「今更騒ぐことでもなかろう。
既に覚悟してきているはずだ。
基礎学力を身に付け、体力や魔力を鍛えるだけの小等部とは違い、
高等部からは、実戦がメインとなる。
この特別訓練学校が出来てから10年、
これまでの平均卒業率は40%に満たない。
これは諸君らを怖がらせる為に言っているわけではない。
相応の覚悟を持ってプログラムに臨め、という事だ。
本格的なプログラムは明日からだ、
今日はしっかりと体を休めておけ。」
一頻り言い終え、再び教室全体を見渡すと、
皆一様に強張った表情をしていた。
それを見ると、軽く頷き、教室から出て行った。