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ニートの俺が勇者に間違われて異世界に  作者: 五月雨拳人
第三章
64/127

慢心

          ◆     ◆


 グラディアースの陸と海の比率は、およそ3:7と地球と同じである。そして同じように超水圧が支配する海溝や、回遊魚ですら抵抗不能の激速海流も存在する。

 さらに凶暴な大型海洋類や竜種、神話種など地球には存在しない生命が跋扈するこの世界の海は、地球の海よりも遥かに危険な場所だ。


 そのある意味地上よりも熾烈な弱肉強食が支配する海中を、まるで自分の庭のように悠々と、だがとんでもない速度で潜行する影があった。


 影は一見大型回遊魚のように見えるが、その速度はとても血の通った生き物が出せる域を遥かに超えている。

 まるで魚雷が進むように海中を爆進するその正体は、魔王直轄四天王の一人、スブメルススであった。


 スブメルススは、水深150メートルほどの海中を300ノット(時速約500キロ)近い速度で泳いでいる。だが驚くべきことに、これが全力ではない。彼女にとっては軽く流している程度だ。こと水中に関しては、彼女は魔王軍最速の名を欲しいままにするウェントゥスよりも速く移動する事が可能なのである。


 海流をものともせずに泳ぎながら、スブメルススは考える。

 その内容は、イグニスの事であった。

 あの日、彼が定例会議をサボった翌日の事を思い返す。

 イグニスは隠しているが、手傷を負っているのは明白だった。上半身を庇う動きに、常に呼吸が浅い。

 スブメルススの見立てでは、あれはきっと肋骨をやられている。

 もしかすると、脊髄か胸骨にもダメージがあるかもしれない。

 そこまではすぐに推測できたが、では果たして相手は何者なのか。

 自他ともに認める四天王一の武闘派に、あれほどの手傷を負わせる者がまだこの世界にいただろうか。


 そこでスブメルススははたと気づく。

 イグニスの性格上、やられたらやり返すはずだ。そしてやり返したのなら、その結果を嬉々として話してくるはずだ。相手をどんな風に殺したのかを。鬱陶しいほど嬉しそうに、何度も何度も話してくるに決まっている。

 だがそれが無いという事は――

 負けたのだ。

 スブメルススは思い出し笑いをして、大量の息を吐いた。口からごぼっと大きな泡が出る。


 あのイグニスが負けた。何だろう。超面白い。

 イグニスの個人的なケンカになど興味は無いが、彼に手傷を負わせたのみならず、勝ったというのなら話は別だ。俄然興味が湧いてくる。一体どんな奴が相手だったのだろう。スブメルススは、ただ好奇心のみでここまで泳いで来たのだ。

 期待が膨らむにつれて、自然と速度が上がる。

 目指すは、パクス大陸。


 しかしスブメルススがイグニスを負かした相手の顔も名前も居場所すら知らないのに気づくのには、まだ少し時間が必要だった。

               ☽

 平太たちは夜明けとともに進路を変更し、再びコンクラータを目指して進んでいた。

 馬車の中の空気は重かった。あんな事があったせいか、あれから誰も一睡もしていないようで、沈痛な面持ちの中に眠気がちらほら見えていた。


 平太も暗殺者の事を考えているうちは気が張って目が冴えていたが、昼を超えるとさすがに睡魔が優勢になってきた。

 朝のうちに林を抜けて街道に入ったおかげで、道は平坦で見晴らしも良い。手綱を操らなくても馬たちが勝手に歩いてくれる。それと日差しの暖かさに、ついついうとうとしてしまう。どうやら他の連中も船を漕いでいるようだ。


 平太たちの馬車の後ろには、相変わらずケインの馬車が追走している。あんな目に遭ったというのに、よく懲りないものだと平太は感心する。ケインは完全に居眠り運転をしていた。

 そのだらしないけど気持ちよさそうな姿に、平太の眠気がさらに強くなり、ついうとうとしだしたそのとき、

「あいて」

 後頭部を誰かに殴られた。振り向くと、背後でシャイナが上半身を御者席に乗り出していた。不安定な馬車の中で苦も無く片手で身体を支え、もう片手で握り拳を作っている。


「おい、しっかり前見て手綱握ってろ。事故ったらどーすんだよ」

「大丈夫だよ。誰も通ってないし、馬たちが勝手にやってくれるさ」

 口ごたえしたら、もう一発殴られた。今度こそ完全に目が覚めた。

「たとえ誰も通ってない道でも、馬をしっかり操るのが御者席に座った奴の役目だろ。だいたい、馬が勝手にやってくれるんなら、お前がいる必要ねーじゃねーか」

 馬以下の価値しかないように言われ、平太は少しカチンと来る。たしかに御者のくせに居眠りこいてた自分が悪いのだが、シャイナだってさっきまで船を漕いでいたではないか。


 そこで追い討ちのように、シャイナが爆弾を放つ。

「だいたいお前、最近調子に乗ってたるんでんじゃねーか?」

「はあ?」

「昨夜だって、ドーラだけならまだしもあたしにまで内緒にしやがって……」

 後半はごにょごにょと聞き取れなかったが、どうやら暗殺者を引っかけるために罠を張った事を黙っていたのを気にしているようだ。あれはわざとではなく、たまたまその場にシャイナがいなかったからだけなのに。


 それよりも、聞き捨てならなかった。調子に乗ってるかどうかは知らないが、たるんでるつもりは一切無い。むしろ、門が開いて剛身術を身につけてからの自分の活躍たるや、賞賛こそされても貶される言われなどない。


 ははあん、と平太はにやりと笑う。腹の奥底にじっと留めていたものが、これをきっかけについに口から出てしまった。

「お前、ひがんでるのか?」

 言った。

 ついに言った。

 言ってしまってから、ヤバいと思った。

 平太の脳裏に、かつてこの世界に召喚されたばかりの頃、シャイナに向かって禁句を言った時のやっちまった感が蘇る。

 反射的にシャイナの攻撃に備えて身構える。下手をすれば、いや、きっとまた流血沙汰になる。


 ――が、


 平太が恐る恐る見やると、シャイナは見るだけで死ぬんじゃないかと思うような形相をしていた。奥歯がめり込むほど必死に噛みしめ、怒りで発狂しそうなのをどうにか抑えている。ああ、やっぱり地雷だったと平太は後悔したが、吐いた言葉は今さらどうしようもない。


「あ……、その、」

 かける言葉が見つからない。そこで謝るべきか、だが謝ってしまうとますます彼女を怒らせるのではないかと迷っているうちに緊迫した時間は過ぎ、

「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 やがてシャイナは、もの凄く重く量のある何かを飲み込んだような大きく長い息を吐いた。


 あ、耐えた、と平太は素直に感心した。と同時に助かった、と安堵した。

 肺の中の空気をすべて吐き切ったシャイナは、同じくらいの量の空気を鼻から吸い込むと、

「はあ? ひがんでなんかねーよバーカ。それにお前みたいなヒヨッコの甘ちゃんには、剛身術なんか使わなくても楽勝で勝てるっつーの」


 一度は言い過ぎたかなと反省した平太であったが、こうも馬鹿にされるとさすがに腹が立つ。特に、最近は剛身術を身につけたおかげもあるが、自分に自信がついてきた。それを天狗になっているみたいな言い方をされたら、さすがに平太も黙ってはいられない。


 そこからは売り言葉に買い言葉だった。

「どうだか? お前に剣を習っていた頃ならともかく、今の俺の動きはお前には見えないかもしれないぜ」

「笑わせるな。ちょっと速く動けて力が強くなったくらいで自惚れてんじゃねーよ。お前の見え見えの剣なんか、当たらなけりゃどーってことねーんだよバーカ」

「……試してみるか。もし当たったら、せっかくの新しい鎧が真っ二つだぜ」

 言葉で一歩踏み込む。あと数歩踏み込んだら、もう戦いは避けられない。


「いいぜ。表に出ろよ」

 シャイナが残りの数歩を一気に詰めてきた。

 一触即発――平太が適当な場所に馬車を停めようと手綱を操作しかけたそのとき、


「はい、そこまでです」

 突然平太とシャイナの間に現れたスィーネが、二人の脳天に強烈な手刀を叩き込んだ。

「あだっ!?」

 目の前に火花が飛び散り、二人同時に頭を押さえてうずくまる。

「さっきから聞いていれば、なに子供みたいな言い争いをしているのですか。二人とももっと大人になりなさい」

 脳天をチョップするのが大人として正しい行為なのかと問う前に、再び平太の頭の同じ箇所に、手刀が正確に打ち込まれる。痛い。


 スィーネの乱入により、とてもケンカする雰囲気ではなくなった二人は「フン!」とこれまた同時に鼻を鳴らす。平太は前を向いて御者に専念し、シャイナは馬車の中に引っ込んだ。

 そんな子どもじみたやり取りに、スィーネは「やれやれ……」と困ったようにため息を漏らす。

 ドーラとシズはとっくに目を覚ましていたが、二人の雰囲気があまりにも殺伐としていたのでずっと寝たフリをしていた。

               ☽

 平太たちがコンクラータに到着したのは、水平線に夕日が沈もうとしていた頃だった。


 コンクラータは、勇者が伝説の盾を手に入れた地だが、それ以外の特徴は無くただの岬であった。

 ただ例に漏れず観光地化されており、昔はただの岬だったであろう場所は今や過剰に人の手が加わり、安全対策の手すりや注意喚起の看板、おまけに多数の土産物屋が立ち並んでいてせっかくの景色が台無しであった。


「ここも盛況だね」

 ドーラが感心したのか呆れたのかわからない声を上げる。

 もうすぐ日が暮れるというのに、岬には相当な数の巡礼者の姿があった。この後宿はどうするのだろうと心配したが、岬の反対側は宿場町さながらに栄えていたのでいらぬ心配であった。徒歩で巡礼する者が多いので、当然と言えばそうなのだが、やはり釈然としないものがある。


 居並ぶ宿屋や飲食店から視線を反対側に戻すと、岬の先端に少女が佇んでいるのが見えた。

「あれは……」

 少女の姿に、平太は暗殺者を思い出して反射的に緊張する。が、まさか暗殺に失敗した昨日の今日で再び姿を現す事もないだろうと思い直した。

 それに髪の色も長さも全然違う。岬の先端で夕日を見つめる少女は、ふわふわとした綿毛のような柔らかいくせっ毛で、夕日を受けて赤が強く見えるがきっと色も違う。


 とは言え彼女は姿を自由に変えられる能力があるので、見かけが違うからといって安心できないのだが。

 などと自分で自分の思考にツッコミを入れていると、少女の姿を見失っていた。

「あれ……?」

 さっきまであそこにいたのに、少女の姿はかき消したようになくなっていた。まるで、最初からそこに少女などいなかったかのように。


 気のせいかな、と平太が軽く目をこすっていると、

「何をしている。皆もう先に行っているぞ」

 グラディーラに声をかけられた。

「あ、わかった。悪い……」

「どうした? 目でもかゆいのか?」

「いや、そうじゃなくて……」

 平太は岬にいたはずの少女の事を話そうとしたが、時間が経つにつれ見間違いかもしれないという思いの方が強くなってきたので、

「……何でもない。気のせいだ」

 最終的にそう自分を納得させた。

 するとグラディーラも平太の視線を追うように、岬の先へと目を向けた。

 だがすぐに視線を戻すと、「行くぞ」と平太の先に立って歩き出した。

               ☽

 宿屋の近くで野宿をするのも気が引けるので、平太たちは一度街道まで引き返した。

 その間も平太とシャイナはひと言も口をきかず、馬車の中はぴりぴりとした空気が漂っていた。


「……というわけで、しばらくヘイタはそっちの馬車で寝起きしてね」

 というわけを説明されたわけでもないが、どうせシャイナとの事だろうと察し、平太はドーラの指示を了承した。彼自身も、しばらく彼女とは同じ空間にいづらいので好都合だ。

「……まあ、あっしは構いやせんがね」

「すいませんね。事後承諾みたいな形になっちゃって」

「男と女が近くにいりゃ、何かしらのいざこざが起こるのは当たり前って言いやすからね」

「はあ……」

 そういうものなのだろうか。生まれてこの方彼女どころか女友達すらいた事のない平太にはまったくピンと来ない話だ。というか、今回はそういう色恋沙汰のような可愛い話ではない気がする。


「ま、そういう時は男の方からさっさと謝っちまうか、あちらさんの頭が冷えるまで時間を空けるに限りやすぜ」

「なるほど」

 こちらは謝る気など毛ほども無いので、ここは待ちの一手だろう。

「どれくらい待てばいいんだろう?」

「さあてねえ。あっしはあのシャイナって姉さんの事を詳しく知りやせんから」

 そこでケインはふと思い出したように、

「そう言えば、あの姉さんってどういう人なんですかい?」

「どうって言うと?」

「いや、まあ、何ですかねえ。性格とか、好きな食べ物とか、とにかく情報があった方が分析しやすいじゃないですか」

 そうなのか、と平太は疑問に思う。

 が、そこで普段他人の機微にまったくと言っていいほど疎い平太の脳ミソに、奇跡的に閃くものがあった。

 ははあん、コイツシャイナに気があるんだな。確かにシャイナは見た目は美人だし背も高くスタイルも良い。そして何より胸がデカイ。しかし先日半殺しの目に遭ったばかりだというのに、どういう女の好みをしているのだろう。こ奴ドMか。


 とはいうものの、平太とてシャイナについて知っている事は多くない。改めて考えてみると、少なくない時間を一つ屋根の下で暮らしていながら、シャイナを始めドーラやスィーネ、シズの事をほとんど知らない自分に驚いた。そして、さして知ろうとしなかった今までの自分に呆れた。


「どうかしやしたか?」

「いや、何でもない。そうだな……俺が知ってる事なんて、気が短いのと酒が好きなのと、あと意外と面倒見がいいところくらいかな」

「ふむふむ……って、ちょっと少なすぎやしやせんか?」

「そうかな?」

 自分でもそう思うが、あと知ってる事と言えば出身地と弟妹が多い事と忍者みたいな師匠がいる事くらいだろうか。

 この程度の事しか知らないで、よくもまあ仲間とか言えたものだと、平太は自分が恥ずかしくなる。


 それと同時に、仲間という言葉が急に薄っぺらく感じられてきた。

 いや、言葉自体は何も変わっていないのだが、平太の中で言葉の持つ重みが軽く感じられてきた。

「まあ、仲間だからってホクロの数まで知ってなきゃダメってもんじゃありやせんからねえ」

 ケインがあからさまに慰めてくるが、今はそんな見え見えのセリフですら染みる。


「仲間って何だろうなあ……」

 思わず口をついて出た言葉に、ケインがう~んと唸る。

「あっしは徒党を組まない一匹狼ですから、そういうのはちょっとよくわかりやせんね」

「え? ソヌスポルタに来た時は、ルワーティクスを狩るために臨時で組んでたって言ってたじゃん」

「まあ、それは仕事のためにお互い損得勘定で組んでやしたから。確かにあれも仲間って言わなくもないですが、兄さんの考えるそれとはちょっと違うんじゃないですかねえ」

 今度は平太が唸る。

「俺、仲間ってものに幻想を抱いてるのかなあ」

「兄さんの言う仲間って何ですかい?」

 改めて問われると、言葉に詰まる。ケインは自分で質問を振ったものの、予想以上の沈黙に耐えられなかったのか、

「……ま、こういう事はあんまり考えても仕方ありやせんぜ。さて、夜もだいぶ更けた頃ですし、そろそろ寝やしょうや」

 いそいそと毛布を引いて横になった。

 言われて平太も横になったが、頭の中はもやっとしたものでいっぱいで、とてもすぐには眠れそうになかった。

               ☽

 野郎二人が横になる少し前、ドーラたちの馬車では。

「今日はいったいどうしたんですか?」

「はぁ?」

 スィーネの問いに、シャイナは一瞬何の事か思い当たらなかった。顔を向けると、スィーネはこちらを見ず、ドーラの髪に櫛を通していた。ドーラはネコ耳に櫛が触れるたびに、無意識なのかぴくぴくと動かしている。その仕草が面白いのか、スィーネはいつも必要以上に彼女の青い髪を梳かす。


 スィーネは相変わらずの無表情で、怒ってるのか冷めてるのかわからない。ドーラほど長くなく、平太ほど短くもない付き合いだが、やはり彼女の表情から何を考えているのか読み取る事はこの先もできそうになかった。

「昼間の事ですよ」

「ああ、」

 あれか、とようやくシャイナはスィーネが何を言っているのか理解する。馬車での平太とのやり取りの事だ。


「何でもねーよ、って言ってもそれじゃあ納得しないんだろ?」

「わかっているのなら素直に話してください。時間の無駄です」

 淡々とした口調に、シャイナはやれやれと鼻から大きく息を吐く。

「このままじゃ、あいつ死ぬぞ」

 今度はスィーネが「はぁ?」という声を上げた。死ぬという剣呑な言葉に、それまで話に無関心を装っていたドーラのネコ耳がこちらに向いている。

「それはどういう意味ですか?」

「そのまんまの意味だよ。剛身術に頼っていると、そのうち足元すくわれて――」

「ケガだけじゃ済まなくなる、と」

「そういうこった」

「なるほど」

「でもさ、その剛身術があれば怖いもの無しなんじゃないの? この間だって、イグニスとかいう強そうなのをヘイタが追っ払ったっていうじゃない」

「あのなあ、」

 これだから素人は、という盛大なため息をともに、シャイナは剣とは何たるか、戦いとは何たるかを滔々と語る。つまり、剣術舐めるな、と。


「だったらさ、忠告してあげたらいいんじゃない?」

 ドーラの提案にシャイナは面倒臭そうに舌打ちをすると、

「無駄だムダ。調子に乗ってる今のアイツにゃ何言っても無駄。それこそ、一度痛い目に遭いでもしない限り、」

「だけど、その一度が最後になるかもしれないよ」

 やたら現実味を帯びたドーラのひと言で、馬車に沈黙が満ちる。普通に旅をしているのならまだしも、自分たちは魔王討伐の旅をしている。しかも最近、四天王とやらの一人に目をつけられてしまったばかりだ。


「困りましたねえ」

 スィーネはため息とともに言う。ドーラも続いて「困ったねえ」。

 最後にシャイナが「困ったな」と言った後、三人に会話がなくなった。

「……とりあえず寝ますか」

「……そうだね」

「……だな」

 三人は問題を先送りにして、

 とりあえず寝た。

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