木
「こ、これって。」
瑠奈が青くなる。
「相当強いな。」
「そんなに強い?」
「うん。オーラが強すぎて、居場所が分からない。」
竜希君が手を動かすと、火の玉のようなものが4つ現れた。そしていっせいに、飛んでいった。
「どうしよう。」
瑠奈が言った。
「・・・!壊された。」
いきなり竜希君が叫んだ。
「えっ、どうする。」
瑠奈も叫ぶ。
「壊されったて、何を?」
里菜は聞く。
「今の火の玉。仲間と連絡とるためものなんだけど・・・」
「さっさとしないと、ヤバイ。」
二人は、辺りを見回す。
「でもなんでいきなり。」
「早く退治しないとどうなるの。」
「早くしないと、向こうの世界にも影響が・・」
「・・・・・」
瑠奈は、目をふせる。
「体育館だ。」
竜希君がつぶやく。
「えっ。」
「いま、オーラが揺らいだ。体育館からだ。」
そう言うなり走って行く。急いで二人も追いかける。
体育館に到着した。しかし鍵が開いていないようだ。瑠奈が手をかざす。電気がはしる。
ドアが開いた。急いで中に入りもう一つのドアを開ける。
三人は呆然とした。
そこにあったのは木だった。
天井につくほど大きく、真っ黒だ。「なにこれ。」
里菜がつぶやく。
「木、だよね・・・。」
「多分。」
三人は固まった。
「みんな、よんでこよっか。」
瑠奈が言う。
「そーだな」
竜希君が答える。瑠奈がドアに近づく。
いきなり黒い木から瑠奈めがけ、何かが飛んでいった。瑠奈はよけるひまもなかった。が、別の方向からも青い何かが飛んできた。
青いかたまりは瑠奈の前にくると、がっと広がった。そして、木から飛んできたかたまりを包みこんでしまった。
「先生、あっ、ありがとうございます。」
瑠奈がちからが抜けたように、言った。
その先生は、なんと高い窓の近くに浮いていた。
雪橋先生だ。どの学年担任もやっていない。今年きたばかりで、雪橋先生の授業はうけた事がなっかた。
「昨日みたときは居なっかたのに。何か見なかった。」
先生が里菜たちを見る。
「あれ、あなたって・・」
里菜を見て言う。里菜はこれまでのことを話した。
「そういうことって初めてね。」
と、先生は言った。
「とりあえず出ましょうか。あの悪鬼は木だから動けないわ。」
体育館を出るとき、また何か飛んでこないか三人は振り返っていた。