悪鬼
里菜は、すぐに走り出した。
「ちょっと、待って。」
女の子は、里菜を見るとかなり驚いた。里菜も驚いた。瑠奈だ。家が近くで、よく遊んでいる。
「なんでここに」
「あの青い光は・・。」
二人は同時に言った。
「どーぞ、先に。」
瑠奈がゆずる。
「・・・。あの青い光って何。それにみんなが」
「あのね、私たちの世界には「悪鬼」《あっき》てのがいるの。でも、ふつうは見えない。だけど、あの青い光をくぐると見えるようになる。で、その青い光を「蒼い扉」て、言うの。」
「みんなが半透明なのは、祓ってるところ、見られないため。」
ひととおり説明が終わった。
「祓うって、えっと、悪鬼を」
瑠奈は、うなずく。そのとき瑠奈は何か感じた。悪鬼だ。
瑠奈は走り出した。一階の玄関の近くだ。
玄関には、黒い靄のようなものが浮いていた。しかし、二人を見るなり炎のような色になった。瑠奈の手に稲妻が渦巻いている。そして、棒状の形になった。
炎のような悪鬼が勢いよく突進してきた。「バリバリッ」と、電気が走る。
床に焼け跡がついている。瑠奈が悪鬼に、左手を突き出す。そこから電気が吹き出し、悪鬼を包む。悪鬼が耳障りな悲鳴を出す。
強い風が吹く。シーンとなった。
「よっし。これでいっか。」
瑠奈は、稲妻を消しながら言った。
「祓ったの?」
里菜がきく。しかし、それに答えたのは、瑠奈ではなかった。
「祓うっていうか、退治。」
声がした方を見ると、男の子。同じクラスの竜希君だ。
「えっ、もしかして竜希君も・・。」
「そーだけど、君は?」
と、いう質問に、これまでのことを話す。
「ふーん。」
感想は、それだけっだた。
「全員で何人いるの?」
「・・あれっ、何人だっけ。」
「5人。先生が1人いるけどね。」
「えっ、先生!何先生。」
瑠奈が、答える前に、悪鬼の気配を感じた。里菜さえも感じるほど強く、邪悪なものだった。