学校
昼休みのチャイムがなった。
「やったー、昼休み。」
と、声をあげたのは、里菜。外にでようと階段を下りる。
「・・・・・」
何か音がしたような気がした。聞き間違えかと思ったとき、またその音がした。上からだ。
里菜は、三階に上がった。大きくはないが、はっきりと聞こえる。また階段を上がる。上がるといっても、四階があるわけではなく、屋上へのドアがある。でも、里菜が入学する前から、屋上には、立ち入り禁止だ。
屋上に入るためのドアの前に、青い光が見えた。一人、人が立っているのも見える。女の子だ。里菜は、息を潜める。
女の子が何か唱えだした。しかし、かなり小さな声で、全く聞き取れない。唱え終わったのか、静かになった。青い光は、輝きを増している。
女の子がきえた!それでも青い光は、輝いている。里菜は、驚きながらも光に近づく。光は、どんどんと弱まっていく。その青い光を、そっとさわる。
里菜もきえていた・・・。
里菜は、目を開けた。そこは、学校だった。
「今のは、何。」
立ち上がり、そっと、階段をおりた。
教室に入った。外に出ず、絵を描いたり、読書している人がいる。でも、みんな半透明だ。
「えっ。みんな、なんでそんな・・。」
全部言い切らずにだまってしまった。
一番近くにいた、明日香の肩に触れる。しかし、すっと通り抜けてしまう。悲鳴を上げそうになる。
「どうしよう・・・。」
触れないということは、声も聞こえないのだろうか。試しに、明日香の名前を、呼んでみる。
反応無し 途方にくれる里菜。
その時、はっとした。あの女の子のことを思い出した。
廊下にでると、向こう側にあの女の子がいた。みんなのような、半透明じゃない。