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light here  作者: JIN.KURA
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パート1

あなたはもう、運命の出会いを経験しましたか?


その人がこの世の中で、あなたにとって1番大切な人だと言い切れますか、、?


どこかで妥協しなければ、、恋愛なんて、、出来ないものなのかもしれないですよね。



僕もそう思っていました、、彼と、、彼女に遭うまでは、、


僕の名前は雪広、都内で介護士をしている、歳は28。

これから僕が若い頃に経験した、出来事に

ついて、話をして行きます。

僕は実家のある、山形県で、ごく普通の高校を

卒業して、すぐに上京、都内にある、介護の専門学校へ進学したんだ。



東京に憧れとか、そういうのを持つタイプじゃない。


僕は東京に出て来たい訳じゃ無かった。

僕の住んでいる山形には

介護の専門学校が無かったから出て来ただけ(笑)

だから専門学校を卒業したら、すぐに実家に戻り、就職しようと思ってた。


まぁ、でも、僕は介護士を目指すのには理由があったんだ。



小学生の頃、僕の家には寝たきりになってたおばあちゃんがいた。

僕はおばあちゃんが好きだった。


けどね、トイレに連れて行ったり、体を拭いたり、、当時はなんで僕がやらないといけないの?

親がやればいいのに、、っていつも不満顔してた。そんな僕におばあちゃんはいつも

「ありがとう」


と笑顔を見せてくれてた。

おばあちゃんは僕が中学に上がる前に、亡くなった。



僕はこの時、凄く後悔したんだ。

もっとおばあちゃんになにかして上げれたんじゃないか?

自分がすごく惨めな、心の狭い人間に思えた。

まぁそんなのが、僕が福祉の道を選んだキッカケだった。



上京してからの福祉の学校は刺激的だった。

僕は生真面目な性格なのもあって、

すぐに福祉の世界にハマって行った、学校から学ぶ事は凄く多かった。


それに、一緒に学んでいる人も実に多種多様で、みんなそれぞれの目標を持ってて、いい刺激を受けた。



その中でも僕が在学中に1番仲良かったのは田村育男君、、とびきり明るくて前向きな青年だ。


彼は僕から見て、学校で1番勉強熱心だったし、優しかったし、よく僕を笑わせてくれた。


彼のおかげで、何度助けられたことか、、

その頃、僕がクラスメートに告白して失恋した時も、毎日、彼の側にいて、泣いてたくらい(笑)


まぁ、でもそれは学校が始まって半年くらいの話で、、しばらく一緒にいると、、いろいろと分かってくる。


育男の明るさは、なんか、、空元気に見えたり、たまにすごい切ない表情をしたり、、

学校が始まってから、、時間が経つにつれ、僕は彼が見せる、心の闇を心配するようになった、、

そして、育男と一緒に学んだり、遊んだりする様になって、、1年、、僕は彼を飲みに連れて行き、

彼が抱える事情をようやく知る事になる、、


育男は僕の心配する様子に前から気づいていたみたいで、、

いつもより沢山のお酒を飲んで、、僕にすべてを話してくれたんだ、、、

話を聞いて、、僕は涙が止まらなくなったのを覚えてるよ、、育男はこう言ったんだ。



「僕にはずっと愛する女性がいる、、高校の頃からずっと付き合っていて、結婚の約束をするほど、

僕にとって、、大切な人なんだ。もちろん今でも、結婚したい気持ちに変わりは無いよ、、、

けどね、、、彼女はもう、、3年もの間、ずっと病院にいるんだ、、、、

彼女にはもう、、考える力が無いんだ、、、脳がね、、死んでるんだよ、、、

未だに信じられないんだ、、、事故に遭った数時間前まで、元気に僕と会ってたんだよ?、、

それが、、僕と別れた後に交通事故に遭って、、次に僕が会った時には、、もう、病室で、、見た目には、

ほとんど怪我もしてないんだよ!?なのに、、


育男は高ぶった口調で、泣きながら、、僕に話しを続ける、、

僕はこの時、、彼に掛けてあげるべき言葉が、、見当たらなかった、、


育男は俺なんかが経験した事のない、大恋愛をしてる、、重大なものを背負ってる。

僕には育男が今までより、、ずっと、大人に思えたし、だから、ヘタな慰めなんか出来なかった。

しばらくして、、育男は僕の目をしっかりと見つめ、こう言った、、


「俺、彼女と結婚しようと思ってる、、

2度と意識は戻らないのは分かってるし、医者の話ではあと、2、3年で心臓も停止するだろうって。

結婚なんて意味無いのかも知れない。

彼女の親にも反対されてる、、けど、、

俺の中では、2度と出会えない、最高の彼女なんだ、、

俺は彼女が死んでも、、彼女以外の女性を愛する事は出来ない、、今だから言ってんじゃない。これから先ずっと。

だから、、誰がなんと言おうと、、

俺は彼女と籍を入れる、、ユキヒロ、、力になってくれ!」


育男はそう言うと、カバンから、すでに自分の名前が記入されている、婚姻届を僕に見せてくれた。


しかし、彼女の名前は書いていない、、彼女は字を書く事が出来ない。

代理記入は出来るんだろうか?

そもそも、この2人の結婚は法律で認められるんだろうか?


僕は少しでも育男の役に立って上げたかった。僕に出来る事は話しを聞いてやる事じゃない。行動だ。


次の日から、、僕はこの2人の結婚を成立させるために、育男と協力し、様々な事を

調べ始めた。


育男の願いを叶えてやるために、、




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