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幻の神々  作者: ミイティ
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砂所場所

「ふ~ん、町から近いってのにモンスターがうじゃうじゃいるね」

「う~ん、このままだと町を襲うかもなぁ……」

「じゃ、狩ろ狩ろ!」

「いや、ペットの可能性が――」

"ズシュッ"

二人が雑談をしていると、突如『何か』を引き裂く音がした。

(いつ)っ」

『何か』とは、クロゥの服や皮膚だった。

"ヒュン"

クロゥの背後から放たれた矢は、クロゥを襲ったモンスターの頭を貫いた。

「こんなミイラ男、『グロリム』にやられるなんて不覚だな」

「ほら、そんな呟いてる暇があったらグロリムの大群から離れなよ!」

ベリーは、クロゥに注意を促した。それに呼応するようにクロゥはグロリムの大群から離れた。

「こんな臭えやつがペットなわけねえか! 依頼にはねえが潰しとくぞ!」

そう、グロリムは臭いのだ。死体が動いているのと同じようなので、腐臭がする。

グロリムの単体ならともかく、大群はきつい。これはグロリムだけではなく、他のモンスター全ても同じだ。

残念ながら、クロゥ達の前にはグロリムの大群が……。

「めんどくせえが嘆いてても仕方ねえかっ!」

そう言ってクロゥは腰の刀へと手を当て、横から迫ってくるグロリムに対し、抜刀で腹を切り裂いた。

「援護するからつっこみな!」

「あぁ!」

ベリーの言葉に返答すると、グロリムの大群へと橋って言った。

「はぁぁぁ!」

闘志を燃やして突っ込み、無茶苦茶な刀技でどんどん真ん中へと向かっていった。

「おっと!」

向こうもただやられるわけではなく、グロリムが攻撃をしてくるところをベリーが矢で射る。

「くそっ、どんだけいるんだよ!」

二人がどんどんグロリムをなぎ倒してるにもかかわらず、まったく減る気配がない。

その時だった。

「ファイアボール!」

魔法名が誰かの口から発せられると、突如グロリムの大群の中から複数の火柱が巻き上がっていた。

「だ、誰だよ危ねぇなあ!」

グロリムの苦痛の叫びにまじり、クロゥはそう呟いていた。

「随分と苦戦してるようね」

クロゥの目の前には、突如女が現れた。

「ママママスター!?」「ギルドマスター!?」

いつのまにか火柱によってできた隙間をくぐりぬけてきたベリーがいた。

「マスター、何故ここに?」

「マスターなんてよしなさいよ。いつも通りでいいわよ? っと、そんなことより先にグロリムを掃除す るわよ」

そう言って突如現れた女は、いきなり消えたと思いきや、空中にいた。『テレポート』だ。

そして空中浮遊の魔術、『レビテーション』で浮いていた。

「どいておかんと巻き添えを食うぞ?」

女はそう注意を促すと、クロゥとベリーは慌ててグロリムの大群から飛び出した。

「すべての力の源よ 輝き燃える紅き炎よ 盟約の言葉によりて 我が手に集いて力となれ! ブラストボム!」

女の上にはファイアボールを遙かに上回る大きさの火球がいくつも現れ、

着弾すると同時に耳の鼓膜が破れるかと思うくらいの爆音を発した。

魔法によって起きた土埃など視界を遮るものが消えると、火球が着弾した地面は溶岩のように赤く煮沸していた。

そこにはグロリムの骨さえも残っていなかった。

「で、マスターは何故ここに?」

クロゥは、目の前にテレポートしてきた女に問いかけた。

「マスターなんて呼ばなくて、いつも通りにエミィでいいわよ」

「じゃあエミィ、なんでここにいるんだ?」

「私が受けていた依頼が終わって、エアロブルームで帰っていたらあんた達が居たということよ」

「じゃあさ、エミィもあたしたちの依頼手伝ってよ!」

「何の依頼か知らないけど、良いわよ」

「ありがとー!」「助かるぜ」

そんな雑談を交わしているうちに、目的地へとついた。

「俺実はここ来たことがあるん――」

「あたしここ初めてきたー!!」

クロゥの発言は、ベリーの発言によって掻き消された。

三人は古墳の形をした『砂上墓所(さじょうぼしょ)』の中へ入ろうとしたが……。

「おい! 現在は無断な進入は禁止されている! 長老に許可をもらってから――」

一人の槍をもった門番の言葉を、もう一人の門番が掻き消した。

「あっ、あ、あ、あなたは…エミリア・エルクリオ……さん!?」

「あぁ、そうですけど……?」

門番がいった『エミリア・エルクリオ』とは、『エミィ』のことである。

門番の二人は耳打ちをしはじめた。

終わったと思えば、二人は微笑みながら快く通してくれた。

「なんだったんだ~?」

ベリーは歩きながら後ろを振り向いて門番を見て言った。

「おいベリー、既に砂上墓所に入ってるんだぞ? そんな悠長に構えてたら、一瞬に餌になるぞ」

「大丈夫だよ。だってエミィがいるんだしさ」

「ほら、雑談してるうちに地獄からの誘いがきたわよ?」

エミィの言葉に即座に耳を傾けたクロゥは、相手の数を確認した。

「グロリムが数十体、スライムが数十体の大群か」

クロゥは、モンスターの種類と数を的確に言った。

「さすが、瞬間記憶能力は伊達じゃないね!」

ベリーはそういいながらクロゥの肩を叩いた。

モンスターなど目に入ってないようだ。

「言っておくけど、私はあんまり加勢できないよ? あまり強い魔法を使ったら古墳が崩れるからさ」

「えぇ~!?」「え~!?」

「いや、でも初歩魔法程度でなら援護できるからさ、突っ込んで良いよ!」

エミィの声に呼応して、クロゥは突っ込んでいった。

「うおおぉぉぉ!」

「あんまり強力な技は使うでないぞー」

今にも古墳を崩壊させそうなクロゥに、エミィは注意を促した。

"ヒュン"

エミィとクロゥの頬を数本の矢が遮り、見事、スライムとグロリムを貫いた。

「あぁ、もう! めんどくさい!」

そう言って、ベリーはモンスターの大群へと突っ込んでいった。

普通の弓を扱う職業のやつらは、モンスターの大群に突っ込んでいくのは自殺行為だ。

だが、ベリーは違う。

弓の両端、つまり下関板(しもせきいた)上関板(うわせきいた)の部分に、刃がついているのだ。

弓を回転させ、チャクラムのように扱ってどんどん切り裂いていく。

威力は低いが、機動性に優れている。スライムなどの雑魚相手などには、とても有効だ。

二人が大群に入っていくのを見終わると、エミィは地面に自慢の杖、

『サンタマリア』をモンスターの大群にむけて詠唱を開始した。

「氷結せし刃、鋭く空を駆け抜けろ! ダストチップ!」

杖の先端から少し離れたところに魔方陣が展開され、魔方陣からは氷で造形された鋭利な小さい針が大量に放たれた。

放たれた氷の針は、全てモンスターの目に直撃した。

「今のうちに!」

「おう!」「うん!」

針がささって目が見えなくなったモンスターたちは、持っている武器を投げ捨てて目を押さえている。

目に針がささったモンスターだけを、ベリーとクロゥは次々と倒していった。

「空と大地を渡りしものよ 優しき流れ 漂う水よ 我が手に集いて力となれ! フリーズ・アロー!」

詠唱と魔法名を言い終わると、エミィの後ろには大量の氷の矢が現れた。

そして氷の矢は、モンスター達の様々な場所を貫いた。

「めんどくせぇ! 一気にけりつける!」

エミィの方を一瞬だけ振り向いてそう言った。

「ベリー! 今だけ俺のまわりを頼む!」

そう言ってクロゥは、刀を地面に突き立てて目を閉じた。

「………天剣招雷(てんけんしょうらい)!」

沈黙したクロゥの口から放たれた言葉によって、刀はチリチリという音を立てている。電流が流れているのだ。

(いん)の流れ 五の太刀・閃光雷撃砲(せんこうらいげきほう)!」

再び口から発せられた言葉により、刀身に纏わりついていた電流は、激しく音を立てて拡散し、前方の敵を燃やした。

「陰の流れ 七の太刀 無風(むふう)!」

クロゥはそう言うと、刀を鞘にしまった。

"ズシュッ"

突然、全てのモンスターのあらゆる部位が断たれた。

「さっすがぁクロゥ! おかげでメンタルを使わないですんだよ!」

ベリーが口にしたメンタルとは、MP、つまり魔力のことである。

「おかげさまで俺は体力が随分減ったぜ。エミィ、回復を頼む」

クロゥがそう言うと、エミィが目の前にテレポートしてきた。

「聖魔法や光魔法はあんまり得意ではないんだけど……」

「大丈夫だよエミィなら!」

ベリーから応援を受けたエミィは微笑んでから、目をゆっくりと閉じて詠唱を開始した。

「聖なる癒しの御手よ 母なる大地の息吹よ 願わくば我が前に横たわりしこのものを 

 その大いなる慈悲にて救い給え.........リザレクション!」

エミィの杖、サンタマリアからは魔方陣が展開され、魔方陣から光の蔓のようなものが現れ、

ゆっくりとクロゥを包み込んでいった。

「体力が回復してるのが分かるな」

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