表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】真実の愛を見つけたから離婚に追放? ありがとうございます! 今すぐに出ていきます!  作者: ゆうき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/97

第九十一話 無事に一段落

「落ち着いた?」


「うん。ありがとう、お姉様」


 ひとしきり泣いて、目を真っ赤にしたミラは、私に心の底からの笑顔を見せてくれた。

 いつも明るい、太陽のようなミラには、やっぱり笑顔が良く似合う。


「さてと、それじゃあ私はそろそろ行くわね」


「もう行っちゃうの? せっかくなんだし、もうちょっとお喋りしようよ」


「そうしたいのは山々だけど、仕事が沢山あるの。それに、私のようなおじゃま虫がいたら、レージュ様が目を覚ました時に邪魔でしょう?」


 いたずらっぽく笑いながらウインクをした私は、レージュ様のことをミラに任せて、スタッフと一緒に部屋を後にした。


「ごめんなさい、無理やり外に連れ出してしまって」


「いえいえ。彼の容体は落ち着いていましたし、少しの間なら離れても問題はありませんよ。先程の女性は、彼の恋人なのですか?」


「その一歩手前って感じです。あの子、レージュ様が倒れてから、ずっと心配してたので、二人きりにしてあげたかったんです」


「そうだったのですね。それじゃあ、頃合いを見て戻らせてもらいます」


「ありがとうございます」


 話の分かるスタッフに何度も感謝を伝えていると、別のスタッフの男性が、血相を変えてやってきた。


「ここにいた! あの、エリシアさん! 一緒に来てください!」


「は、はい。どうかしましたか?」


「サイラスさんが!」


「えっ……サイラス君が!?」


 彼に連れられて、急いでサイラス君のいる病室に向かうと、そこには変わり果てたサイラス君――の姿は無く、代わりのサイラス君の周りに、無数のお皿が置かれていた。


「あむ、もぐもぐもぐ……がつがつ……ごくんっ。おかわり!」


「さ、サイラス君?」


「おお、エリシア! どうしたんだ、そんなに目を丸くさせて?」


 人が心配して飛んできたというのに、当の本人はまるで病気なんて無かったかのように、けろっとした表情で豪快に食事をしている。


 ……う、うん。薬が効いたのはよくわかったけど、この料理の残骸である皿の山は一体??


「エリシアさん、あなたからも何か言ってください。食欲があるのは喜ばしいのですが、ここまで一度に食べると、体への負担が……」


 先ほど私を呼びに来た男性は、困ったように頭を抱えている。


 彼が困るのはもっともだ。いくら回復に向かっているとはいえ、食べれば良いというものじゃない。


「ねえサイラス君、どうしてそんなにごはんを食べているの?」


「もちろん、体力の回復のためさ。病に倒れて動けなかった間、体力が落ちてしまったからね。たくさん食べて、たくさん寝て、一日でも早く君とまた一緒に活躍できるようになってみせるよ!」


 サイラス君の気持ちはとても嬉しいし、早く一緒にまた頑張りたいという気持ちもあるけど、だからといって、他の人に心配をかける手段を取るのは感心しない。


「サイラス君、あなたはまだ病人なの。スタッフの人達が止めるようなことを、やっちゃいけないわ」


「だから、その病人から普通に戻るために、こうして――」


「サ・イ・ラ・ス・く・ん?」


「は、はい……いうことを聞きます……」


「よろしい。素直なサイラス君は大好きよ」


 怒られて落ち込んでいたというのに、大好きという言葉一つで、サイラス君はとても嬉しそうにしている。表情は緩みに緩み、変な笑い声が漏れている。


 大げさだなと思う反面、きっと私が逆の立場だったら、同じ様に人に見せられない顔をしていると思う。


 ……なんだか、あれだけ切羽詰まって薬の作り方を模索してたのが嘘みたい。早くこんな日常を取り戻すためにも、薬をどんどん量産していかなきゃね。



 ****



 あれから一ヶ月後。私達はたくさんの薬を作り、それを無償で病気に苦しむ人に投与する生活を続けた。


 そのおかげで、病気に苦しむ人達はどんどんと減っていき、今では患者の数が、百分の一にまで減少したという報告を受けた。


 ここまでくれば、もう安心。臨時のチームも解散して、日常に戻った。めでたしめでたし……なんて、口が裂けても言えない。


 これは人為的に起こされた事件だ。ということは、事態を収束させないために、犯人がまた行動を取る可能性がある。


 その可能性に対処できるように、今日も薬の量産と、薬の効果を高めるための研究を、サイラス君のギルドの製薬室でしている。


「エリシア、そろそろ休憩した方が良いよ。ほら、レージュから良い茶葉を貰ったんだ」


「サイラス君。実は、私もミラからクッキーを貰ったの。よければ一緒に食べましょ」


 二人の意見は無事に一致したので、ギルド長の部屋でいただくことにした。相変わらず散らかってはいるけれど、一応許容範囲……ということにしておこう。


「はふぅ……この紅茶、とてもおいしいわね」


「クッキーも甘さが控えめで、いくらでも食べられそうだな」


 揃って紅茶とクッキーに舌鼓を打っていると、そういえばさ……と、サイラス君が突然話を振ってきた。


「今回の薬って、どうやって作り方を覚えたんだ?」


「あれ、その辺りの話ってしてなかったかしら?」


「なにも聞いてないな」


 私ったら、説明した気になっていただけだったのね。サイラス君のお師匠様が関係していることなんだから、ちゃんと説明をしないと。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


読んでいただいた方々に、お願いがございます。5秒もかからないので、ぜひ⭐︎による評価、ブックマークをよろしくお願いします!!!!


ブックマークは下側の【ブックマークに追加】から、評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタッチすることで出来ます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ