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【完結保証】真実の愛を見つけたから離婚に追放? ありがとうございます! 今すぐに出ていきます!  作者: ゆうき@呪われ令嬢第二巻発売中!


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第九話 楽しい時間

 その日の夜、無事に今日終わらせなければいけないノルマを、新しい仲間と力を合わせて終わらせた私は、食事と入浴を済ませた後、机に向かって手紙を書いていた。


 差出人はお父様とミラ。こっちで上手くやっていけそうだから、安心してほしいということや、新しい職場や仲間について報告しようと思ったの。


「これでよしっと。明日郵便屋さんに持っていきましょう」


「エリシア、いるか?」


「サイラス様? どうぞ」


 手紙を書き終わったのを見計らっていたかのように、サイラス様が部屋へとやってきた。寝間着姿は初めてみるから、なんだかとても新鮮だ。


「寝間着姿のエリシアを見るのは初めてだな。なんだか新鮮な気分だよ」


「えっ? すごい、私も同じことを思っていたわ」


「なんだって? さすが、俺達は息がピッタリだな!」


「そうかもしれないわね。それで、どうかしたの? 明日からについて連絡でも?」


「いや、せっかくこうしてまたゆっくり話せるようになったから、話したいと思ってな。聞きたいこともあるしさ」


 そうね、こうして自由に話せるのなんて、私が学園を卒業してから一度もなかったものね。


「いいわよ、何でも聞いてちょうだい」


「ありがとう。やっぱりエリシアは優しいな!」


「これくらい普通よ。だから、感動して抱きつかないでね」


「よ、読まれてるだと……」


 何度も似たような感じで抱きつかれているんだから、それくらい読めるわよ……まったくもう。


「それで、聞きたいことって何かしら?」


「ずっと疑問だったんだけど、どうしてマグナスの離婚を喜んで受けたんだ? やっぱり、あの独占欲が嫌になったとか?」


「そういえば言っていなかったわね。私、結婚してから酷い仕打ちをされていたのよ」


「な、なんだって!?」


 私は、サイラス様と一緒にソファに腰を降ろしてから、この数年間について話した。


 すると、ずっと黙って聞いていたサイラス様が、スッと立ち上がった。


「よし、わかった。ちょっとマグナスと話をしてくる」


「ちょっ!? 手をバキバキ鳴らしながら言うセリフじゃないわよね!?」


「ははっ、なにを言っているんだい。安心しな。話をするだけだって。それが言葉じゃなくて、拳なだけさ」


「安心できる要素どこっ!?」


 私のために、普段とても人当たりのいいサイラス様が怒ってくれるのは、悪い気はしないけど……だからといって、そんなことをすれば大変なことになってしまうじゃない!


「落ち着いて、サイラス君。私のことを考えてくれているのなら、私のために変なことはしないで」


「エリシア……わかったよ」


 私が先生をしていた頃の様に、まっすぐ目を見つめてお願いしたおかげで、サイラス様は小さく頷いてくれた。


 ふう、これで一安心だわ。私のせいでサイラス様に暴力沙汰なんてさせるわけにはいかない。


「俺が隣にいる限り、もうそんな思いは絶対にさせない。絶対に俺が守る。だから、俺の傍から離れるな」


「サイラス様……ありがとう」


 ちょ、ちょっと待って。そんな真剣な表情で、しかも両手をギュッとされながらカッコいいことを言われたら……嬉しさと恥ずかしさで、まともに顔が見られないじゃないの……も、もうっ……!


「えーっと……そうだ、私も質問していいかしら」


「もちろん。君の聞きたいことなら、何でも答えるよ。俺の趣味とか、好きなものとか聞きたいのか?」


「既に知ってることを聞いてどうするのよ、もう。まさか、わざと感動するような場面を作って、私に抱きつこうという魂胆かしら?」


「だ、だからどうして読まれるんだ!? もしかして、俺に触られるのがよほど嫌なのか……?」


「そ、そういうわけじゃないわ。ただ恥ずかしいだけ」


 これでも私だって、年頃の女性なのだから、男性に抱きつかれれば恥ずかしく思う。それが、少なからず想っている相手なら尚更だ。


 まあ、サイラス様以外の人に抱きつかれでもしたら、即座にフルスイングの往復ビンタをお見舞いしてから、大声を出すでしょうね。


 ……こんなことを言ったら、俺は特別なのか! 感動した! みたいな感じで、また抱きしめられそうだから、黙っておきましょう。


「レージュ様とは随分と仲良しな感じだったけど、知り合いなの?」


「ああ。レージュの父君が経営している薬屋は、昔からうちと縁があってさ。だから、レージュとは物心がついた時からの知り合いってわけだ」


 なるほど、それならあのやり取りをしていたのも納得だわ。


「だから、これからも俺がレージュに何か色々言われてることがあっても、あいつを悪く言わないでほしいな。あれでも、悪気があって言ってるわけじゃないんだよ」


「それは無いから安心していいわ。むしろ、とても仲が良いんだって思って、微笑ましく思ったくらい」


 少し妬いちゃったことは黙っておこう。これも絶対に感動した! ってなって、止める前に抱きしめられちゃいそうだし。


「それならよかった。あまり感情の起伏があるやつじゃないから、冷たく思うかもしれないけど、根は良いやつだから、仲良くしてあげてくれると嬉しいな」


「もちろんよ。ぜひ彼とは懇意にさせてもらうわ」


「えっ、恋だって!?」


「懇意! あなた、わざと言ってるでしょう!?」


「ははっ、バレたか! こうして二人で話せているのが嬉しくてさ!」


「もうっ……サイラス様ったら」


 今日一日だけで、ドキドキさせられたり、もうっ! て言わされるのも何度もあったけど、やっぱりサイラス様と一緒に過ごすのは楽しい。

 こんな楽しい時間を過ごせるなんて、もう無理だと思っていたから、とても嬉しいわ。


 願わくは、こんな楽しい時間がずっと続けば……そう思った私の気持ちを邪魔するかのように、部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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