表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】真実の愛を見つけたから離婚に追放? ありがとうございます! 今すぐに出ていきます!  作者: ゆうき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/97

第七十六話 パーティーに向けて

 同日の夕方、いつもより早めにギルドを後にした私とサイラス君は、一度クラヴェル家の屋敷に戻ってきて、パーティーに参加するための準備をしていた。


「さすがお姉様、今日も凄く綺麗だね!」


「ありがとう。ミラもとても似合っているわよ」


 ――どうしてここにミラがいるのか。その理由は、レージュ様だ。


 パーティーに参加する以上、正装をする必要があるのだけど、レージュ様はそのような場に出たことがないため、正装を持っていない。


 だから、以前ギルドで行われたパーティーで着ていた服を再度着るため、一緒にクラヴェル家の屋敷にやってきたというわけだ。


 そのことを事前に知っていたミラは、少しでも一緒にレージュ様と過ごしたい! ということで、ミラもクラヴェル家の屋敷に来て、一緒に身支度の準備をしてもらっている。


「えへへ、レージュ君の正装、今から楽しみだなぁ。きっとカッコいいんだろうなぁ」


「とても良く似合ってたわよ。今から楽しみにしておくといいわ」


「そんなことを言われたら、待ちきれないよ~! ねえねえ、チャンスがあったら、レージュ君に抱きついちゃってもいいかな!?」


「それは、やめておいた方が良いかも……多分、刺激が強すぎて倒れちゃいかもしれないわ。ただでさえ、今日は慣れない社交場だし、ミラの格好もいつも以上に綺麗だしね」


「そっかぁ……残念。それじゃあ、今度二人っきりの時にしよっと!」


「それと、いまだに凄く緊張しているみたい。ミスをして、ミラに恥をかかせたらどうしようって、心配していたわ」


「そんなの、気にしなくていいのに……でも、あたしのことを考えてくれてるの、すっごく嬉しいなぁ! えへへ、お礼に沢山サポートしてあげなくちゃ!」


 今のミラを見ていると、落ち込んでいた時とは、比べ物にならないくらい、元気になっている。これこそ、私の知っている、太陽のように明るいミラの姿だわ。


 そんなことを思っていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「ったく、お前が律義に服を返さなければ、わざわざこっちに来る必要はなかったのにな? あれ、あげたつもりだったんだぞ?」


「あんな高そうな服を、やすやすと受け取れるわけがないだろう!」


「そうなのか? 喜んで持って帰った職員も普通にいたぞ? お前が気にしすぎじゃないか?」


「……それは、受け取った人間のメンタルが、強すぎるだけな気がするのだが……」


 声は廊下から聞こえてくる。その声の主は、サイラス君とレージュ様のようだ。

 それはミラもわかったようで、ニコニコしながら、身だしなみを再度整えていた。


 ふふっ、ミラったら……そんなに嬉しそうにしちゃって。鏡に映っている、幸せそうなあなたの顔を見てると、こっちまで嬉しくなっちゃうわよ。よっぽどレージュ様と一緒にパーティーに行けるのが楽しみなのね。


「サイラスだ。入っていいかい?」


「どうぞ」


 部屋の中に入ってきたサイラス君とレージュ様は、パーティー用の燕尾服に身を包んでいる。


 サイラス君はいつも通り堂々としているけど、レージュ様は落ち着かない様子だ。ギルドの宴の時は堂々と着こなしていたのに……ミラの前で緊張しちゃっているのね。


「きゃぁぁぁ~~!! レージュ君、カッコいい!! これはあたしの記憶に永久保存確定だよ~!!」


「あ、ありがとうございます……」


「なに照れてるんだ。ほら、ちゃんと見て感想を伝えるんだよ!」


「うおっ!?」


 カッコいいと言われてモジモジしているレージュ様の背中を、サイラス君が強く押す。それに続くように、私もミラの背中を優しく押してあげた。


「どうかな? 似合ってる?」


「か、かか、可愛い……」


「可愛い!? どうしよう、レージュ君があたしのことを可愛いって言ってくれた! お姉様も聞いててくれたよね!? どうしようどうしよう、嬉しすぎて、今日死んじゃっても良いかも!?」


「褒めてもらえてよかったわね、ミラ。でも、せっかく褒めてもらえたのに死んじゃったら、勿体ないでしょ?」


「それは確かに! あたし、頑張って耐えるよ!」


 こうしてミラの反応を見ていると、まるでサイラス君を見ているかのようだ。一方で、レージュ様を見ていると、照れている自分を見ているようだ。


「……サイラス。ようやく僕も理解した。お前が感じていた感情は、これだったのだな」


「ふっ、レージュもようやく俺と同じステージに上がってきたようだな!」


 何かに納得したレージュ様は、サイラス君と固い握手を交わす。その意味が分からない私達姉妹は、首を傾げながら見守っていた。


「お姉様、あれってなんなのかな?」


「さあ……私達にはわからない、男同士の何かがあるんじゃないかしら?」


「な、なるほど~……?」


 よくわからないけど、本人達は満足そうな感じだから、私達がどうこう言う必要は無いわね。


「それじゃあ、あたし達も姉妹じゃなきゃわからない何かをしよう! というわけで……ぎゅー!」


 きゃあっ! もう、せっかく綺麗にセットしてもらった髪とドレスが、崩れちゃうじゃないの。ミラったら、仕方がない子ね。


「とにかく、全員準備が出来たみたいだから、少し早いけど、出発しましょうか」


「そうだな」


 サイラス君は、いつもの様に私の手を取って歩きだす。それを見ていたミラは、期待の眼差しをレージュ様に向けた。


「ちらっ、ちらっ……」


「あ、えと……あ……こ、こうでいいのだろうか」


「うんっ!」


 レージュ様は平民の出だから、貴族ではよくある女性をリードするというのは、やったことがないだろう。だから、ミラの意図は直ぐに察したものの、どうしていいかわからず、目を泳がせていた。


 しかし、ミラを何とか喜ばせようと、サイラス君のやり方を見よう見まねで実践し、ミラの手を取ることが出来た。


 緊張しているレージュ様は、耳まで真っ赤にしている。きっと私の時も、他人から見たらこんな感じだったのね。


 そんなことを考えながら、四人で外に出ると、二台の馬車が準備されていた。


「俺達はこっちの馬車で行くから、レージュ達はそっちの馬車で行ってくれ」


「い、一緒ではないのか?」


「当たり前だろ! なんだ、俺とエリシアの二人きりの時間を邪魔するのか! かぁ~、いつからそんな薄情になっちまったんだ!」


「もうっ、レージュ様は慣れないことばかりしていて大変なんだから、意地悪言わないの!」


「冗談だって! ほら、お前も彼女と一緒の方が良いだろう?」


「それは………………まあ……」


 そこで違うと言わない辺り、最初の頃の私よりも素直だわ。この調子なら、正式にお付き合いするのも、時間の問題だろう。


 ……まあ、私のような例があるから、絶対とは言えないけどね……。


「えーっと……こういう時は、僕が先に乗って女性をリードするべきなのか? でも、客人である僕がよそ様の馬車に先に乗るのは、失礼にあたるのでは……?」


「そんなに考え込まなくても大丈夫だよ!」


「しかし……」


「それなら、間を取って一緒に乗ろうよ! ほらほら!」


 ミラに押し切られる形で、レージュ様とミラは、揃って馬車に乗りこんでいく。


 レージュ様は性格上、色々と考えて動くタイプだから、たまに変に考え込んでしまうこともある。それを、ミラが良い感じに引っ張ってくれている。私の想像以上に、二人の相性はいいかもしれないわね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


読んでいただいた方々に、お願いがございます。5秒もかからないので、ぜひ⭐︎による評価、ブックマークをよろしくお願いします!!!!


ブックマークは下側の【ブックマークに追加】から、評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタッチすることで出来ます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ