第六十一話 愛の告白
突然の愛の告白。それも、絡め手とか使わず、本当に気持ちだけを伝えた、わかりやすい告白だった。
それを聞いたサイラス様は、動揺して視線をあちこちに動かしているけど、一度深呼吸をすることで、落ち着きを取り戻してくれた。
「学生の時から気になってたの。マグナス様と違って、人のことを考えられる、笑顔が素敵な人。たまに元気過ぎてついていけないけど、それも魅力的だった。そんなあなたに、ギルドに誘われて、嬉しかったわ。私を必要としてくれているのがわかったからね」
一旦告白の言葉を止めると、体を起こして深呼吸を一度挟んでから、話し始める。
「一緒に仕事をする中で、目標のため、人のために頑張り続ける、凄い誠実な人で、私のことも理解してくれる。そんなあなたと交流していたら、好きになった……ううん、違う。ずっと抱いていた恋心に気がついたの。だから、その……私とお付き合いしてください!」
「……エリシア」
我ながら、なんてまとまりのない告白だろうか。でも、私の気持ちは伝えられたはずだと思うわ!
「俺、学んだよ」
「ま、学んだ?」
「本当はね、俺からプロポーズをするつもりだった。でも、君のためには、世界一のプロポーズの場を用意しなくてはいけないと思って、ずっと告白を我慢していた……いまだに思いついていない。だが、答えはここにあったんだ!」
サイラス様も起き上がると、私の両手を優しく包み込み、キラキラと輝く瞳で私を見つめる。
「場所とか、タイミングなんて重要じゃない。必要なのは、気持ちだったんだ。盲点だった……こんなことなら、もっと早く告白をしておけばよかった」
「サイラス様……私もそう思うわ。それで、その……返事は?」
「返事? そんなの……」
サイラス様はニカッと笑うと、そのまま強く抱きしめて――
「俺も君が大好きだ! 学生の時からずっと! でも、マグナスがいたから諦めて……でもやっぱり諦められなかった……諦めなくてよかったぁ~!」
「サイラス様……今後とも、末永くお願いします」
「あ、ああ! その、お願いします!」
まるで事務の挨拶みたいになってしまったのが、互いに笑いのツボに入ってしまい、ケラケラと笑ってしまった。
「こんなところまで、同じじゃなくていいのにね!」
「まったくだ! あ〜面白い!」
ひとしきり笑った後、私達の間を沈黙が支配した。しかし、嫌な感じは無い。同じ空気を一緒に生きているというか、とても心地がいい。
そして……サイラス様への愛情も膨れ上がってて……気づいたら、この前みたいに、自分から顔を近づけていった。
「サイラス様、愛してるわ」
「俺も、愛しているよ」
私達は、夕焼けに染まる町の祝福を受けながら、ファーストキスをサイラス様に捧げた――
「…………」
「…………」
数秒程のキスを終えて、どちらからともなく顔を離す。すると、サイラス様の顔は驚く程真っ赤になっていた。きっと私も同じ感じだろう。
「キスって凄いんだな……ただ唇を接触をしてるだけのはずなのに、ここまで感情を揺さぶられるんだな……」
「同感……恥ずかしさと、ドキドキと……あと、凄い幸福感」
「っ……! そうか、それならよかった! それで相談なんだけど、もう一回しちゃ駄目か?」
「べ、別にあなたがしたいなら……い、いいけど?」
ああ、またこんな口を……違う違う! せっかく告白して両想いになれたのに、いつまでもこんな口を叩いている場合じゃないわ!
だから……!!
「い、今の話の話は無し! その……私もしたいから……して?」
「ごくり……え、エリシア……」
さっきは告白の流れでしたから、まだなんとかなっていた。でも、今は仕切り直してからもう一度キスしようとしているからか、互いにとても緊張している。
「だ、だ、大丈夫! 食べたりしないから!」
「そ、そぉぉぉぉだよな!」
「……くすっ……ふふふ。私達、緊張しすぎね」
「そ、そうだな! 今日は互いに同じことが多いな!」
今日のデートで何回目かの、互いが面白くて笑っちゃうのを経験したら、緊張がだいぶ解れてくれた。
「サイラス様……」
「エリシア……」
私はサイラス様の首に両手を回し、サイラス様は私の背中に両手を回す。そして私達はゆっくりと顔を近づけて、唇を合わせた。
「んっ……!」
二回目のキスなのに、下手したら一回目よりも緊張していると思う。
しかし、キスを始めてから、胸の奥から凄い幸福感が満たされていき、そしてサイラス様への愛情も溢れ出てきた。
「んう……サイラス様……好き……すきぃ……」
キスを続けながら、愛情に逆らえずに、ストレートな言葉を伝え続ける。すると、サイラス様もそれに応えるように、私のことを強く抱きしめ返すと――
「愛しているよ。俺の愛しい人」
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