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【完結】真実の愛を見つけたから離婚に追放? ありがとうございます! 今すぐに出ていきます!  作者: ゆうき


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第四十三話 卑怯を極めし男

「……いないってどういうことですか?」


 数日後、面会の返事が書かれた手紙の内容をサイラス様に見せてもらった私は、小首を傾げていた。


 手紙には、既に患者は屋敷を離れて、とある薬師ギルドにいると書かれているそれ自体は良いことなのだけど、私達に何の連絡もなく移動させたのは、少し違和感があった。


 でも、メアリー様からギルドの方に、私やマグナス様の治療を許可するようにお願いしているみたい。


「俺にもわからないが、医療体制が整っている場所にいる方がいいしな。そうだ、あとこの手紙も来ていたんだ」


「これは、マグナス様からの手紙?」


 一体何が書かれているのかと、警戒しながら中身を確認すると、今回の勝負に関しての詳細が記されていた。


 期間は三ヶ月後。そこで互いに作った薬を実験体に投与した後、効果が高かったものを採用し、患者に与えるとのことだ。


 どうやって勝負をするのかと思っていたけど、これなら患者には安心して効果のある薬を与えることが出来るわね。


 ただ……三ヶ月も患者が耐えられるのかが心配だ。あのマグナス様のことだから、自分に飛び火するような日程設定はしないだろうけど、信用は出来ない。


「とりあえず、患者の容体を見に行きましょう」


「ああ、そうだな」


 私は、サイラス様と一緒に、手紙に書かれていた薬師ギルドへとやってきた。


 このギルドは、マグナス様のところほどではないが、とても有名な薬師ギルドだ。


 特に有名なのが、患者の受け入れ数だ。普通はよほど重症じゃない限り、薬師ギルドに滞在させられないが、ここはさほど酷い患者じゃなくても滞在が出来て、何かあった際にすぐに薬師が動けるようになっている。


 これは、薬師ギルドのトップである、マグナス様のギルドも真似できないほどの、凄いことなのよ。


 こんなことが出来るのは、ひとえに資金の多さと広大な土地があるからこそだ。詳しくはわからないけど、うちのギルドの倍以上は土地があると思っている。


「いつ来ても、この大きさには圧倒されてしまうな」


「そうね。ここで呆けていても仕方がないし、早く受付を済ませるわよ」


 ギルドの中に入ると、たくさんの依頼人がラウンジで待っていたり、受付の人と話をしている。


 私達のギルドも、いつかはこれくらいの規模になれれば……なんて思いながら受付にいくと、思わぬ言葉が飛んできた。


「申し訳ありません。あなた方をお通しすることは、ギルド長から禁じられておりまして」


「えっ? メアリー様から連絡が来ているはずでは?」


「確かに、メアリー・ロンド様から患者の受け入れの際に、マグナス様、サイラス様からの治療も受けられるように手配はされていると伺っております」


「なら、どうして?」


「それは存じ上げておりません。誠に申し訳ございませんが……」


 ――その後、何度言っても受付の人は取り合ってくれなくて……私達はラウンジの椅子に力なく座りながら、大きな溜息を漏らした。


「これじゃあ、どうしようもないな……患者の容体が見られない以上、薬の作りようがない……」


「ここでこうしていても仕方がないわ。メアリー様に会って、患者の容体をわかる範囲で聞くしかなさそうね」


「それでも、動くには危険すぎるだろう? 彼女は医療の知識が無いんだから、見逃している部分が沢山あっても、不思議じゃない」


 それはそうね……それで薬を作って飲ませた結果、気づいていない病状があって、それが薬のせいで悪化しました! なんてなったら、お話にもならないわ。


「仕方がない、ここのギルド長に直談判してくる! 一応顔見知りだから、頼めば何とかしてくれる!」


「よしなさい。変に大事にして、騎士団に身柄を拘束されたらどうするの?」


「うぐっ……」


 ただでさえ、向こうの対応からして、私達は良いようには見られていない感じなのに、そんなことをしたら、大事になるのは火を見るよりも明らかだわ。


 ……さて、どうしたものかと頭を抱えていると、先程の受付の人と、私達の次に受付に来た人が、驚くべき会話をしているのが耳に入った。


「マグナス様のギルドのお方ですね。お待ちしておりました。病室へご案内いたします」


 私達は門前払いをされたのに、後から来たマグナス様のギルドの人達は、そのままギルドの奥へと歩いて行く。


 どういうこと? 仮に何か事情があって私達を受け入れなかったのなら、マグナス様のギルドも同じ様にしなければ、いけ……な……あ、あぁ!? まさか!?


「さ、サイラス様! 一度出るわよ!」


「え? お、おいエリシア!」


 私はサイラス様の手を引っ張って、人通りの少ない路地裏へとやってきた。ここなら話を聞かれることはないだろう。


「急にどうしたんだ?」


「完全にしてやられたわ! 患者をあのギルドに預けたのは、マグナス様の汚いやり方だったの!」


「え、えぇ?」


「うかつだったわ……あのギルドの長って、昔からマグナス様の家である、バラデュール家と深い繋がりがあるの。きっと、裏で手を組んでいて、私達が患者に近づけないようにしたんだわ! ご丁寧に、何か言及されても、あそこに預ければ大丈夫だからと、言い訳が出来るように!」


「なんだって!? それじゃあ、最初から勝負になっていないじゃないか! どこまで汚い男なんだ!?」


 サイラス様が憤る気持ちはよくわかる。それくらい、マグナス様のしていることはあまりにも卑怯者すぎる。


 しかし、そういう人間だとわかっていて、対策が出来ていなかったこちらにも非があるのも確かだわ。


「やっぱり彼女のところに行って、事情を説明した方が良い! こんな勝負、明らかに成立していない!」


「そうね……メアリー様のところに行って、事情を説明しましょう」


 ここで勝負を捨てるようなことをすれば、結局マグナス様の思い通りの展開になってしまうけど……一体ここからどうすれば良いのかしら……?


 認めたくないけど、完全にマグナス様の術中にはまっている今、絶体絶命と言っても過言ではない。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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