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【完結】真実の愛を見つけたから離婚に追放? ありがとうございます! 今すぐに出ていきます!  作者: ゆうき


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第四十一話 人の命を何だと思っているの?

 無事にダンスが終わり、後は貴族達が自由にお話をする時間だ。この間に、こっそりと男女が抜け出て、どこかに行ったりもする。


 私も、一瞬そんな考えが浮かんだけど、出ていった先ですることなんて決まっていて……はうぅ、私にそんな恥ずかしいことなんて出来ないわよ!


 まあ、そういうことで……素直にサイラス様と一緒に、時間が足りなくてまだしていない人達へ、挨拶回りをしている。


「最近ギルドの調子がよさそうですね」


「おかげさまで、なんとかなってますよ」


 よくパーティーで見かける初老の貴族を相手に、サイラス様はにこやかに対応している。


 やっぱり、なんだかんだでサイラス様の対応の仕方はちゃんとしている。これなら、私はいらなかったかもしれないわね。


「エリシア、最後は彼女のところに行こう」


「わかったわ」


 一緒に向かった先にいたのは、ピンク色のドレスを着た、小柄な金髪の少女だった。


 彼女とも、何度か社交界で会っている。確か名前は……メアリー・ロンド伯爵令嬢様だ。

 実家とロンド伯爵家とは交流がほぼないから、必然的に彼女との交流も少ないため、会話をしたことはほとんどない。


「あら、こんばんは、サイラス様。今日は星が綺麗ですね」


「こんばんは、メアリー。こういう夜は、何もしないで星を眺めてリラックスしたい気分ですよ」


「ふふっ、そうですね。あら、あなたは……エリシア様?」


「お久しぶりです、メアリー様。以前お会いした時よりも、背が伸びましたね」


 メアリー様は、確かまだ十三歳ということもあり、まだまだ成長盛りだ。これからも身長が伸びて、私なんて追い越しちゃうだろう。自分で言うのもなんだけど、私って小柄だからね。


「あれ、今日は父君はどうしたんですか? 普段は父君が代表で来てますよね?」


「はい……お父様が病気になってしまって……今日は、私がロンド家の代表代理として参加したのです」


「病気……その話、詳しく聞かせてもらえませんか?」


「本当ですか!? ああ、実は今日参加したのも、あなた達に会って、父のことでお話ししたくて!」


「私達に、ですか?」


「最近頭角を表してきている、サイラス様の薬師ギルドに依頼を出したかったのです。ですが、最近依頼が多いみたいで、少し遅れると言われてしまって……だから、あなた方に直接話した方が、診てもらえるかと思って」


 なるほど、そんな事情があったのね。順番が待てないほどの状況となると、時間はあまり残されていないかもしれない。


「勝手な言い分なのは、わかってます。ですが、早くしないとお父様は……!」


「サイラス様」


「みなまで言うな。よし、俺達のギルドで、その依頼を――」


「ちょっと待った!」


 依頼を受けようとするのを、絶対に邪魔をするという、強い怨念のようなものを感じさせながら、話に割って入ってきたのは、マグナス様だった。


「話は聞かせてもらった。薬なら、我らマグナスのギルドに頼むのが定石だ!」


 なにが定石よ。いつもなら、自分から仕事を持ってくるなんてこと、絶対にしないくせに……私達に仕事がいくのが、気に食わないのだろう。本当に良い性格してるわ。


「マグナス様。この話は、我々のギルドに来ているものです。盗人の様に、横から入って奪うことはしないでください」


「なぜ私が貴様の言うことを聞かねばならん? この依頼は我々が受ける。これは決定事項だ!」


「いい加減にしろ! さっきから黙ってれば、良い気になりやがって!」


「さ、サイラス様。落ち着いて」


「あらやだ怖い。まるで蛮族だわ。でも、あなた達の言っていることはもっともね。なら、こうしましょうよ。二つのギルドが同時にこの依頼を受けて、どちらが優れた薬を作って患者を治せるか、勝負をしましょう」


 ずっと静観していたヘレナ様が、クスクスと笑いながら提案をする。


 その方法なら、確かにこの場を収めることは出来るかもしれないけど……!


「人の命がかかっているのに、それを勝負の場にするだなんて、おかしすぎるわ! メアリー様も、彼に何か言ってやってください!」


「そうですね……それで父が治るなら、私は構いません」


「えぇ!?」


 自分の家族を勝負に使われるなんて、絶対に許可するはずもないと思っていたのに、まさかの肯定の言葉に、驚きを隠せない。


「父は少し特殊な病気で、かかりつけの薬師に見放され、家の近くの薬師にも手に負えないと言われてしまいました。でも、あなた達が競い合うことで、良い薬ができて、父が助かるというのなら……お願いしたいです。私、どうしても父に助かってほしいのです!」


「競い合う? それは、実力が拮抗している弱者がすることだろう。我らのギルドは世界一! この茶番……いや、勝負の場は、我々が調子に乗っているゴミに圧勝するための場にすぎん! だから、あんな奴らに期待するのは時間の無駄だぞ! はっはっはっ!」


「さすがマグナス様、素晴らしい自信ですわ」


 付き合うのが面倒だし、これ以上は何を言っても無駄と思い、さっさとここを離れようとすると、メアリー様と目が合った。


 なにやら、来てほしそうな雰囲気だったからついていくと、人が少ない隅っこに連れてこられた。


「メアリー様、本当によかったのですか? 正直、賛成できないのですが……」


「はい。先程お伝えしたことも事実なのですが、もしあそこで駄目だと伝えたら、余計に拗れていたと思うんです」


「それは、確かにそうかもしれませんが……」


 まだ子供だというのに、そんなことを考えていただなんて。私が十三歳の時よりも、何倍もしっかりしてると思う。


 そんなメアリー様は、私達に顔を近づけるとニッコリと微笑み――


「あんな人達なんかに、負けないって信じてます。依頼人として、全力でサポートさせてもらいますね」


 私達にしか聞こえないくらいの声量で、励ましのエールを送ってもらった。


「ええ、任せてください!」


「絶対に俺達が助けてみせます!」


 サイラス様と一緒に、自信たっぷりに言ったはいいけど……治せる可能性が高いのは、マグナス様の方だろう。それくらい、まだ私達と彼らのギルドとは、力の差がある。


 でも、こうなってしまった以上、絶対に負けるつもりは無い。


 それに、こんなことは口が裂けても言えないけど……この勝負で勝てば、マグナス様への復讐の一つになるかもしれないし……って、私情なんて持ち込んだら、それこそ大嫌いなマグナス様と一緒だわ。依頼人のために、全力で頑張りましょう!

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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