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第二十一話 残酷な手口

 しっかり休んでいるうちに、外は暗くなっていた。雲一つない夜空に広がる満月とたくさんの星が、綺麗に見える。


「満月……早くしないとマズいわね。サイラス様、いけそう?」


「ああ。持ってきてくれた痛み止めが、かなり効いてるみたいだ!」


「わかったわ。それじゃあ、サリューがあると言われる、月の泉に向かいましょう。グリムベアに気づかれないように、大きな声は出さないように。あと、私が物音を立てない道を歩くから、それについてきて」


「お、おお……エリシア、めっちゃ頼もしいな」


 これでも、こういう環境は慣れている方だからね。これくらいなら余裕……なんて言っていたら、足元をすくわれるかもしれないわね。


「エリシア、月の泉について、俺あんまり詳しくないんだけど……どんな場所なんだ?」


「満月の光でキラキラと輝くから、そう呼ばれているそうよ。周期的に、満月が泉の真上を通って、水面に満月が映る。それと同時に、キラキラと輝くの。それも水面だけじゃなく……サリューも」


「確か、そうなるとサリューが開花して、薬に使えるようになるんだよな?」


「そうよ。一説には、月の光というのは、慈悲の象徴と言われていて、それに反応すると言われているわ」


 慈悲とかの類は、さすがに信じられないけど、月の光とサリューに何か関係がある可能性はありそうね。


「とにかく、急ぎましょう……え?」


「……なんか吊るされてないか?」


 薄暗くてちょっと見えにくいけど……よく見ると、グリムベアの子熊が木に吊るされていた。

 それを、額に大きな傷があるグリムベアが、必死に助けようとしている光景が広がっていた。


 あと、なんだかこの辺り、凄い臭いがする……これって、もしかして……。


「なんて酷いことを……このままでは、あの子熊は……」


 グリムベアは木登りが苦手だから、あの高さではどう頑張っても届かないだろう。放っておけば、子熊は衰弱して、そのまま……。


「どうする? 助けたいのはやまやまだけど、出ていったら襲われるかもしれない。今の俺だと、戦うのはちょっと難しいかな」


「大丈夫、手はあるわ!」


 私は、さっき使った木の実をもう一度使い、今度は少し離れたところに向かって投げた。すると、遠くの方から大きな音が聞こえてきた。


「……??」


 聴覚がいいグリムベアなら、絶対に気になるわよね? ほら、音のした方に確認しに行った。


 誘導作戦、大成功ね! あとは、あの子熊を助けるだけだわ!


「サイラス様、キャッチをお願い」


「わかった。気をつけろよ!」


 うんっと返事をしてから、私は軽々と木登りをして、吊るされている熊の子供のところにまでやってきた。


「くー!」


「大丈夫よ、すぐに助けてあげるからね。まったく、誰がこんな酷いことをしたのかしら……」


 持ってきた荷物の中からナイフを取り出し、子熊を吊るすロープを切った。そうなれば、当然子熊は地面に落下していって……。


「おわっと!」


 サイラス様が無事にキャッチをすれば、万事解決ってわけね。まあ……顔面でキャッチするのは、少々驚いたけど、どっちも怪我が無ければよし!


「へへ、無事でよかったな~クマ坊!」


「あんまり触らない方が良いわ。人間の臭いが染みつくと、母親が育児放棄することもあるらしいの」


「そうなのか!? って、言ってる傍からってやつだな」


 私達の視線の先には、さっき音で誘導をしたグリムベアと同じ個体だった。その証拠に、子熊は一目散に親のグリムベアのところに走っていった。


「親子が一緒になれてよかったわね」


「はっはっ……くー!」


「…………」


 私達が助けたのをわかっているのだろうか? 子熊は感謝の声を残し、親熊はこちらに目線をジッと向けてから、子熊と一緒に去っていった。


 もし襲われたら、同じように追い払うつもりだったとはいえ、余計な争いを避けられるに越したことはないわ。


「寄り道しちゃったけど、あの親子が再会できてよかったな」


「ええ、そうね。それで……さっきから気になっているんだけど」


「この匂いだろう? あっちからするんだが……なっ!?」


「どうしたの?」


「来るなっ!!!!」


 あまりにも大きい叫び声を受けて、反射的にその場に立ち止まる。

 それから間もなくサイラス様は私の手を引っ張って、少し離れたところに移動したわ。


「どうした、の……サイラス様?」


「うっ……おえっ……!」


「だ、大丈夫? 気分悪いの?」


 突然木に手を置き、苦しそうにえずくサイラス様の背中を優しくさすってあげていると、数分後には少しだけ調子を取り戻してくれた。


「一体何を見たの?」


「……この前、カロに絡んでいた商人を覚えているか?」


「ええ」


「商人には、ボディーガードがついていた。その彼らの変わり果てた姿が転がっていた……文字通り、血の海だった」


「えっ……!?」


 薬師として、多くの患者を診てきている。それもあって、一般の人よりかはそういった……目を背けたくなるようなものは見慣れている。

 でも、変わり果てたと言っているくらいのご遺体を見る勇気はないかな……。


「生きていた可能性は?」


「あれで生きてたら、よほどの生命力か、ゾンビだとしか思えないな。それよりも、どうして彼らがここにいたんだ……?」


「……あくまで私の推測だと、あの商人がサリューを採りに来ていて、グリムベアが邪魔だから、彼らに子熊を連れさって吊るすことで、グリムベアを引きつけようとした。しかし、失敗して……って感じかしら」


「なるほどな。自業自得と言えばそれまでかもしれないが……とにかく、俺達以外にもサリューを採りに来た人間がいるなら、早くしないとな!」


 そうね、ここまできて先に越されて全て採られました~なんてなったら、目も当てられないもの。サイラス様の体調を気にしながら、サリューがある場所に向かいましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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