3.
その中は一種の腐臭で満たされていた。本当にとてつもないにおいである。
ななみの見据える先に目の焦点を合わせていくと、何やら黒っぽい塊が目に入ってきた。
「あれ・・・」
「あれって・・・」
窓がないため小屋の中は暗い、入り口のドアから差し込む光だけが唯一の光源である。
部屋の奥は薄暗がりになっていてよく見えないがなにか人形のような黒っぽい塊が目に入ってきた。
確かに・・それはよく見ると人の形をしていた。
そう、人間である。そして・・・たぶん死んでいる。
「え・・・!?・・・いや、マジマジ?」 一気に雲行きが怪しくなる。どういうことだろうか。
「うっわ・・・なんで?・・・自殺とか?」
焦りと恐怖を背筋に感じながらななみに声をかける。
本当はここから逃げ出したかったのだ、内心ではななみが殺したのではないかと疑っていた。
「・・・」
「これをどうにかしたいってことだったのか・・・」
「まあ、そうだね。」
「あのさ。確かめたいんだけど。まさか、やっちゃたわけじゃないよね??」
「いや・・・そういうんじゃなくて。まあ事故って言ったほうがいいんだけど。」
ななみは言葉を濁した。
目の前の光景について頭をフル回転させて考えている自分がいたが、どうもななみも口数が多くないのでなにがなんだかよくわからない。
語りたくないことが多いのだろうか? しかし、この状況にどう始末をつけたらよいか・・・
「えーと、つまりななみはこの人の死んだときに何かの理由で居合わせたってゆうことだよね?
で、警察にも相談することができない理由があるってことなんだと思うけど。」
「そう。」
さっきからどんどん口数が少なくなっているななみに若干の不安を覚える。
「で、どうしたいの?」
「この人を池に沈めたい。」
「どうして?ほっとくか警察にとどければいんじゃん?」
「・・・それは、できない。」
「・・捕まっちゃうから。」
(やっぱ・・・そうか)内心ではもうこれは確定だなと思った。