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「そこしかないか」

「そうだ、そこしかない、こっち側から行く分には特に問題ねぇしな、戻れねぇが」


 なるほど。


(近くの町に二人目がいるし!)


 頭いてぇ!


「おいやめろ! 二度とそれすんな!」

「アニキ!?」

「すまんなんでもない、俺ちょっと町よってから行くから先に行っててくれる?」


 盗賊から場所を聞き、俺とネッコは町に向かった。お嬢様の馬車で。 




 中世ヨーロッパの町並みを通り、お高めの宿を紹介してもらった後、まだ盗賊に怯えているのだろうお嬢様と別れた。

 一番おすすめの美味しい晩飯を頼んだが、野菜のエグミしか味のしないスープに、肉の臭みがあるなんだかよくわからない肉しか出なかったのですべてネッコにやる。

 固いベットに寝転がりスマホをいじり、眠りにつくと。


「あんた、……なにしてんの?」


 おや? 女神の声だ、夢かな? それにしてもひどく疲れた声色だ、どうしたんだろう。


「お前こそ俺の夢で何してんだよ」


 スーーーー、と息を吸い込む音がした。……なんだろう長いな、息吸いすぎじゃないか?


「あんたがずぅーーーーっと電話してくるからでしょうがあああああああ!」

「ごめんて、だって馬車の中に飛ばすからさ」


 そう、俺はあれからずっと女神にワンギリを繰り返してきた。女神はスマホをもっていないため、おそらく直接脳内に的な感じだろうから、効果はてきめんだ。

 朝方にやっと眠れたわけだから、一晩中になる、ちなみに五分おきに、だ! 嫌がらせには命をかけろってばあちゃんに教わったからな。着拒にしてたから女神の反撃はなしだ。


「ガルルルル、ガル、ガルルルル」

「ワロえる、犬みたいになってんぞ」

「誰の! せいだし! ……ねぇ本当にもうやめてくれない?」

「条件次第だが? 呑むか?」

「な、なにさせる気だし? エロいことは無理なんだし! でも本当にもうワンギリは耐えられないし」

「……」

「ね、ねぇなんで黙ってるし?」

「プルルルル」

「ひ、ひぃ」

「あはははははははははは」

「……」


 やっべ、笑いすぎた、雰囲気でやばいのがわかる。


「んおほん、簡単だ、スマホで通販をさせてくれ。対価は払うから。やり方は神の力で適当に頼む、つまり丸投げだ。出来るんだろ? 奴隷のために出してたもんなぁ!?」

「ぐ、…………ワンギリもうしないし?」

「絶対しない、てゆーか断ったらワンギリする」

「……ま、しかたないっしょ~、おけまる~」


 お、元気出てきたなこいつ。


「で、使徒なんだけど! 今度のはもう少し詳しく教えてくれよ! ネッコとか奴隷にするとこだったんだぞ、いやでも盗賊なんてしてるあいつが悪いか」

「んとね~、手先が器用だし、大魔法使いとか呼ばれてるし、未来を見る賢者とかなんとか噂になってるやつだし」


 ほほう、これは当たり使徒な気がするぞ、ネッコのことを外れとか言ってるわけじゃないが。


「ところで予想なんだけど、もしかして本来使徒って俺の好きなように作れたりした?」

「でも魔力も気力もギフトも強いってのは無理だし。あと見た目も、性格もっていう欲望も無理だし? 何かを得るなら何かを犠牲にしなくちゃいけない、これ神の常識だし。あ、そろそろエステの時間だし、ば~い」


 …………え? 確か俺って見た目を頼んだような、つまり?




 起きるともう昼のようだった。

 腹の上で寝ているネッコをどかし、スマホ通販でコートを探す。町中でたまに見かけたのに似ているのを選び、考える。

 寝てると可愛いな、ギフトは残念だが、尻尾とか耳ももふもふやんけ。

 ピンクタイガーのもふもふを堪能した後、飯にする。おにぎりとカップの味噌汁。

 魔法でお湯をそそいだところでネッコが目を覚ます。


「おいしい匂いがする!」


 ネッコの分も用意し、いざ朝食。やっぱ日本人は味噌汁よ。


「にゃっつ!」


 ナッツ? ……ああ、舌出してるから熱かったのか? 猫舌なんだな。

 二人で食べ終えると。


「もっと!」


 え? まだ食うの? おにぎりを渡す。


「もっと!」


 おにぎりを上に放ると見事に口でキャッチした。おもろい。


「もっと!」

「さすがに食べすぎだろゲ~しちゃわないか?」

「昨日ハンバーガー我慢したもん! もっと!」


 そりゃ奴隷から奪うなんてことせんやろ。

 窓の外を見ていた視線をネッコに向けると。

 目こわっ! 人に向けて良い眼光とちゃうで!


「わかった! わかったから落ち着け!」


 獣人の姿になり、襲い掛かってきたため避けると壁にぶつかったようで。


「うえええええええん」

「わかったから泣くなって」


 おにぎりをいっぱい出すと、パァと顔を輝かせ大人しく食べ始めた。

 なんという種類の猫なんだろうか、もふもふの耳が獣人になるとまた形が変わってもふもふで。実は狐か? 尻尾のふわふわがヤバい。

 おにぎりでめっちゃ尻尾振るやん。そんな動かされたら俺もう。


「ふみゃ!」

「あ、ごめん、痛かったか?」

「……おにいだし、いいよ?」


面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。

思ってくれた方はぜひ、ブックマークと下の評価を5つ星よろしくお願いします!

一回でもクスリとしたら、わかりますよね?

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