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「なにこれすごく楽しい! 騎士になったみたいだ。でも難しい、でもでもやればやるほどこの魔物の動きが理解できるようになって、手も足も出なかった敵に打ち勝てる! そして勝利した時の快感が凄まじい!」
「甘いの! そのゲームの本質は先にあるの! 本来ゲームとはストーリー、音楽、雰囲気、セリフ、そして戦闘バランスやシステムで評価されるところをこのゲームはアクションを重視しているの! そして何回も周回し、ふと思うの、この人は、この敵はどんな人生を送ったのか! それまでもこのゲーム内で読みたい者だけが読み、そして考察することが出来るの! 美麗さを競うようにムービーシーンが増えていく昨今のゲームとはまさに真逆なの! そうユーザーが求めているのは操作、ムービーなんて求めてないの! ゲームがしたいの!」
アリスは何度かうなずくと。
「この村に来てよかった~、おじいちゃんにお願いしてこの村で暮らそう~、BL布教して生きていこ~。ここが桃源郷っていうところなんだ~」
といい、気を失った。
「きゃはは、キュラ、予定どうり新しいオモチャが手に入ったの」
オモチャとはアリスの事だろう。
報告をしに行くフェアを見逃し。
俺はそっと部屋を出ることにすると、もう昼だ。太陽が目に染みる。
寝ようかとも思ったが村の外で一悶着あるようなので一応覗いてみた。どうやら見張りの人とクラスメイトたちが話しているようで、困っているようだ。仕方ないので服を着て行くことにする。
「おいなんで入れねぇんだよ!」
「僕に言われても困りますよ、入れない人は仕方ないから追い返すしかないって言われてますもん」
この野郎! 俺か町に悪意持ってやがるな! アリスですら中に入れたんだぞ!
人気者のクラスメイトが気弱そうな見張りに文句を言っているようだが。入れないやつを入れる気なんてない。
「じゃあいいぜ、無理やり入るからな! 言うこと聞かないお前らが悪いんだ!」
そういうといきなり魔法をぶっ放した。
こいつ……そういえば最初に城で俺に攻撃してきたのもこいつがいた方角からだったな。
「ひぃ」
見張りの人は怯えているが、魔法が町の中に入らないことを俺は実験して知っている。じゃなかったら悪意あって入れないっていう意味がそんなないしな。
ということで成り行きを見守る。
「はあ!? なんだよこれ!」
「大丈夫ですか!」
人気者は驚いていたが委員長は見張りの人に駆け寄り心配しているようだった。
へぇ、委員長は中に入れるんだ。ならまぁ、いいか。
「その、本当にどうすることもできないんです。か、帰ってください!」
「くそ! 覚えてろよ! ぜってぇ後悔させてやるからな」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
捨てセリフを吐いて帰っていく人気者の後を数名が追っていく。
「あなたは入れるようなので歓迎しますが、ど、どうしますか?」
「いえ、私も帰ります。…………はぁプリン食べたかったな……」
トボトボと帰っていく委員長の最後の言葉は独り言だったのだろう、ひどく小さい。
悪意がないならいいかな。あいつら先に行ってもう一人だし。
後ろから追いかけ、肩をたたいた。
「これ、プリン、食いたかったんだろ?」
「え? この声、……あれ? …………いいの? ありがとうボク。優しいんだね」
ああ、そりゃ気づかんわな。
振り向いて小首をかしげた後に頭を撫でられてしまった。
え? オネショタ? なんか心苦しくなってきたんだが。
「絶対言わないか?」
「ん? なにかわからないけど内緒の話し? いいよ、絶対内緒にするね?」
片目つむってしー、のポーズするなよ! 今までで一番ヒロインっぽいじゃねぇか!
「俺、クラスメイトの――」
「やっぱりそうだよね! 声同じだもん! やっぱり生きてたんだ! なになにその姿! 魔法!? さっきの状況もさ、私たちが初めて出会った――」
「ちょ、食い気味で来るなって! そーゆーの苦手だから。とにかく内緒な! あとなんか困ったことあったら町に入れる奴だけはできるだけ助けてやるから、みんなに俺のことばらさないように伝えといてくれ。俺が作った町だからたぶん受け入れてもらえる。なんか大変そうな噂聞くからさ、んじゃ!」
「あ! まってよ~」
「……なんだよ、なんか用あるの? そいやそのプリン人気者のあいつとかにあげないでくれる? 委員長にあげたもんだからな?」
「本当は優しいのにいじわるすんだからまったく、わかったよ。……ね? あれからどうしてたの? 元気でやってる?」
「面白いやつらと会ったわ。……またなんか食いたくなったら気軽に来いよ、町に入れる奴だけは歓迎するから、俺もう眠いから行くわ」
言いたいことは言ったので町に逃げ込んだ。
やっぱ俺ってしっかり話とかするの苦手なんだな。あいつらが騒がしすぎて忘れてたわ。
面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。
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一回でもクスリとしたら、わかりますよね?




