表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/50

40

「獣人族についてどう教わったか知らないが、俺たちは無害だと思うぜ?」

「襲ってきたり、しないのか?」

「なんで襲う必要があるんだよ。確かに俺たち肉食の獣人族は食うのに困ったら同族でも襲う、だから同じ獣人族でも肉食は嫌われてる。それでも餓死する寸前まで我慢もするし、できるだけ離れた種族からだ。お前ら人種だって遭難して餓死しそうになったら共食いすんだろ? それとなにが違うんだ? 牙や爪が生えてたって、人種より体が強いからって、なぜそんな目で見る。俺らからしたら食いもしねぇのに同族を殺す人種の方が怖いね!」


 獣人の男はおどけた様に話していたが、少し寂しそうでもあるように見える。


「す、すまん。そんなつもりはなかった。獣人族と話すのは初めてで」

「ま、それも人種が迫害してくるから見ねぇってだけで、俺らは結構人種好きなんだぜ? 特にこの村の連中は大好きだ、最初に俺たちに会いに来たやつはもっと好きだ、この村で迷惑おこすなよ? そいつも獣人族連れてるいいやつだからよ!」

「ああ、わかった。慕われている奴がいるんだな。俺様もそいつに会ってみたいもんだ」


 すいませんここにいます。トイレもお風呂も一緒にいました、もうどんな顔してあったらいいかわかりません。

 獣人族も労働力としてしか見てませんでした!


「あ! おにいの匂い! ここだ~!」


 やばい!

 いきなり現れたネッコが俺に触れると、透明化が解けた。

 そう、この魔法は万能ではない。臭いも残るし、音も、触られたら魔法は解除されるのだ。しかも――。


「きゃああああああああああああああ!」


 アリスの目には俺の裸体が映ったことだろう。

 仕方ないじゃん! 服まで透明にはならないんだから!

 いやだが待ってほしい、よく考えてみよう。今の流れならいけるのではないだろうか。全裸で許される存在そうそれは!

 俺は出来るだけかっこいい声で、かっこいい顔で、かっこいいポーズをとって決めた。


「俺さ、神だって言ったら、……信じる?」


 この叫び声に駆け付けたのは頼りになる仲間で。

 おお! 良い演出だぞキュラ! 

 これあれだよな? 神っぽい演出のスポットライトだよな? 犯人逃がさないようにするあれじゃないよな?


「ちょっと強いからって調子に乗るななの変態!」


 そう言い放ち、肥大化した腕で俺を地面に埋め。


「神を名乗るなんて罰当たりですよ? エロ神様ですか?」


 と、頭の上に足裏が置かれた。


「バカにゃの? 頭打っておかしくなっちゃたの?」


 お前のせいだけどな! 

 こいつら全員人の見てないとこで引っぱたいてやる!

 ……しかしこの角度、キュラとアリスのパンツが見え、見えそうで、見え、見えねぇ! 逆光邪魔なんだよ!


「なんで血の涙を流してるの? さすがに怖いの」


 おかしい、じじいとばばあまでもエロ神様といって拝んでくる。


「この人ひどいんです、私のことを借金のかたにして連れまわし、いつも虐げてくるんです」

「おまっ、状況が有利だからってあることないこと言うんじゃない!」

「あたしは奴隷にされたよ?」

「……し、してないし!」

「フェアはかごに入れられて攫われてきたの、これがほしいならついて来いって言って大事な家から連れ出されたの」


 俺は逃げた。

 神様なめんな! 首以外埋まってても出られるんだよ! 

 追っ手を振り切ると。すぐに透明になって戻ってきた、二度と同じミスはしない。

 アリスは自室のベットに向かうところだった。いろいろと考えながらなのだろう手を顎に当てている。ベットに飛び込むと。


「なんだこのふっかふかのベットはどうなってんだ! 雲の上にいんのかよ!」


 可愛い。

 そして本が目に入ったようで。悪魔に魅入られたかのように、その表紙から目が離れられず、手に取って開き。


「ぶっはああああああああああああああああ!」


 鼻血を噴き出した。BL本だ、フェアのお気に入りの。


「ななななな、なんだこの本は、すごい、すごいぞ! 手が止まらん! こっちは!? こっちはなんだ!」


 ゲーム機を手に取り、試行していると。


「それはゲームなの! この中からソフトを選んで起動させるの!」


 ベットわきにある本棚に並べられたゲームソフトへ目線を導いた。


「そ、そうか、これでこのゲームが起動するのか! ……なんでいるんだ!」

「ふふ、この部屋を用意したのはフェアなの、同志を迎えるためなの!」


 次の日の昼までゲームは続いた。それはもちろんまだこの世界になかったもので、熱中しているようだ。

面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。

思ってくれた方はぜひ、ブックマークと下の評価を5つ星よろしくお願いします!

一回でもクスリとしたら、わかりますよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ