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「そうよぉ、ここんとこ調子がよくってなぁ、アニキの出してくれた食いもんがいいせぇか、あきらかに力が出るんもんでなぁ。。こいつらもそう言ってるし間違いねぇ、まぁそのおかげで狩りする暇があったてぇこった」
「オス!」
元奴隷も何人かいるようだった、志願制か訓練かは知らないが。
「それによぉじいさん等から聞いたんだが、儂らがここに来るまでは夜になると魔物が徘徊して家から出られなかったらしいんだが、ここんとこ村に近づいてもこねぇみてぇだ。ま、儂らが狩りをしてるせぇかも知らんが」
「へぇ、不思議だな。じゃあ次の快適生活なんだが、すぐにレンガの建物。集会所って呼ぶか、そこに物知りじじいとか集めてくれるか?」
話しをそらした。
女神がなんかやったに違いない! 力が出る? 魔物来ない? あり得る? 嬉しいんだがあんまり露骨にやると怪しいだろうが!
どの物知りじじいがどこにいるか把握しているのだろう。元盗賊はすぐに知識のあるじじいや元奴隷を集会所に集めた。
また謎行動してるよ、とか囁かれながらスマホで調べ、快適に暮らせるように村の改革案を出す。
町に居た時思ってたんだ、くせぇんだわこれが! やっぱトイレと風呂はほしい! 住人の家? んなもんより優先だわ!
近くに魔物がいる森もあるし育成はいつでもできるだろう、この世界はどうやって強くなるかはまだ知らんが。
さっそく着工だ!
「にゃあああああ」
「やるじゃないかすごいぞネッコ!」
化け猫は怖がらせるとか言ってられない、工事なんて早く終わるに限る。
ネッコのここほれにゃんにゃんは凄まじく、あっという間に大穴が開いた。ここに発電機と洋式便器を置いて、ネッコには川からの水が流れて出ていくように掘るよう指示を出し。
「壁とか天井の取り付けはまかせたぞ」
と言い残し次に向かう。
「これくらい楽々なの!」
「すごいぞフェア、お前が居れば何でも運べるな!」
フェアに大石を運んでもらい大浴場を作る。隙間とかは元盗賊たちに任せるが、石の移動があっという間に終わった。
水も炎も魔法でなんとかするつもりだったが、この世界では特に風呂を重要視する文化はないようで、魔力の無駄遣いだのなんだの言われた。
で、残りの一人はなにをしているのか見ると。
「きりきり働くんですよ! 働かざる者食うべからずというでしょう! さあもっと腰をいれて!」
……監督をしていた。
別にこいつが言い始める前からみんな一生懸命に働いている。
「じゃあお前の飯抜きだな」
とあきれながら言ったのだが。
「なんで私ばっかりいつも役立たず扱いするんですか!」
「事実なんもしてねぇからだよ! この無能!」
こいつは納得しなかったようで。
「パワハラじゃないですか! ちょっと不思議な道具が出せるからって! ……ううっ、ひどい、『ここなら風呂に隠しカメラしかけてもバレへんやろ、ぐへへ』って言ってたの黙ってたのにひどいです~!」
と、大声で叫び散らした。
やめろ! 俺はぐへへなんて言ってないぞ!
「ちょっと待てお前! その口を閉じろ! ……あの、そんなことしてないよ? 俺たち仲間だもんな、助け合おうぜ? 飯とかいくら食ってもかまわんよ?」
口を押さえて物理的に黙らせると。
「ほうへすね、仲間へすほんね」
こいつ! 泣きマネまでしてやがった!
「で、ほんとなの?」
「人を疑うのはやめろよフェア、さっきまで仲良くしてたじゃないか。その目、仲間にする目じゃないぞ?」
「プハ、大丈夫ですよ、一応おじいさんしか使わない特別トイレに仕掛けなおしておきましたから」
悪魔やんけ! 魔族って悪魔やんけ! そんな地獄みたらトラウマになるわ!
「代表して天誅しとくの!」
なんの救いもない説明に俺はワンパンで埋められ、一晩を過ごした。
「おいっす~お告げの時間だし~」
出やがったな。
慣れてきたのか、女神の姿が見えた。椅子に座って優雅にスイーツを食っている。上機嫌なわけだ。
「で? 村になにした? 力が湧いてくるとか言ってたぞ、あと村に魔物が近づかないとか!」
「はぁ? ……あんた、この村で暮らそうとか、守ろうとか、発展させようとか何か思ったっしょ? あそこパワースポットみたいになってっから神の土地ね、全部あんたがしたことだし。神の自覚もったら?」
そういえばちょいちょい神であること忘れてるわ。
「まじで?」
「マ。ちょい詳しく言うと、魔物が入れないし。あと傷の直りが早くなるし。村から出て一日くらいまで一段階強くなるとか、あんたに敵意があると入れないようにとかできるし」
マジかぁ、神だったわ俺。
面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。
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一回でもクスリとしたら、わかりますよね?




