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「マジかよ、キュラは?」

「愚鈍ですか? 魔法使いタイプの私が魔法使い以外に勝てると?」


 どゆこと? ダメだこいつら神の使徒なのに使えない。

 掴んでいるネッコを開放し。


「お前しかいないみたいだ、行け」

「わかった!」


 ネッコを行かせた。

 ここに来る時のネッコはあの蛇に対抗できるくらい大きかった、正直負ける気がせん。猫対蛇って猫が勝つよな?


「「え」」


 いつの間にか父親も気絶から回復していた。

 そして、え? なんで両親が驚いているのだろうか。


「ネッコはたった一週間でサンドワームに勝てるほどの力を手にしたのでしょうか」

「一週間?」

「はい、この集落を飛び出していった日からです」


 え? なにあいつ、三日目とかで盗賊始めたの? ……いやそこじゃない。

 んん? 何か変じゃないか? 大きな化け猫の姿は妙に慣れていたし、一週間で身に着けたということはないだろう。

 ならなんで?

 ネッコの動きを見た。

 飛びかかり、変身し。


「あたしの鋭利で自慢の爪を喰らえ~!」


 頭に弾き飛ばされ、足元にちょうど落ちてきた。ポテッと、小虎の姿で。


「運のいいやつめ。か、紙一重だね」

「……なんでお前、あの化け猫にならないの?」

「虎獣人なんだよ? 虎になって戦うのは当然!」

「うんそっか~、でも化け猫のほうが強くない?」

「虎獣人なんだよ? 猫になって戦うなんてプライドが許さないよ! 猫なんてただ愛玩動物に魂をささげる気はないんだから!」

「……うん、でも、移動するときとかさ、さっき妹と遊ぶときになってたじゃん」

「? 移動と遊びは戦いじゃないよ? 馬鹿にゃの?」


 はぁああああああああああああああん? こいつもダメじゃん。そもそもお前虎獣人じゃないし!

 両親の方をみると奥さんは首を横に振り、父親は縦に振っていた。


「ネッコは馬鹿なので、虎獣人じゃないことを理解しないんです」

「うちの娘が一番かわいい」


 父親は黙っとけ。


「もしかして育て方を疑ってます? 妹の方は猫獣人だと理解していますよ?」

「じゃあまさか、捨て子だと認めたくなくて……みたいな感じですか?」

「いえ? 捨て子なのは理解してますね」

「じゃあなんでですか!」

「馬鹿だからです!」


 あっ。


「あの、なんかすいません」

「いいんですよ、もうあきらめてますから、見てください。もうチョウチョを追いかけ始めてるんですよ? あきたんでしょう」


 にゃはは、と笑いながら妹とチョウチョを追いかけていた。

 空気を読んで攻撃してこない蛇より知能が低いんだろうな。これが俺の使徒だ。

 俺はあきらめた。


「お前等、どっちかやる?」


 二人を見ると。


「かかか、勘弁してやるの!」


 震えていた。


「私は対魔法使いの魔法使いなので」

「お前は魔法使い名乗るな」

「はあ!? というか、私たちは四天王を倒したんですよ!? 狼としか戦ってないあなたが行くべきでは?」


 なんで俺が行くんだよ! お前等使徒だろ! はぁ。

 なんで俺が歩いただけでミミズ食べてた幼女は耳と尻尾を隠すの? あれだよな? サンドスネークにビビってるんだよな? 丸まっちゃって可愛いんだが? もふもふしてぇ。

 さて。


「サンドワーム、決着をつけよう」

「キシャアアアアアア」


 威嚇し、胴体を残したまま頭を後ろに下げた。

 俺が近づき間合いに入るのを待っているのだろう。


「一応確認なんだが、和解する気はないか?」

「キシャアアアアアア」

「さすがに言葉通じないよな」


 俺が結構な距離を飛び込んで間合いに入ると、顔を横にした状態で突っ込んできた。そのままだと丁度牙に当たる位置で噛みつかれる。


「すまんな、神なんだ」


 両腕を外に伸ばし噛みつきを、牙を止めることで封じた。そのまま振り回されるが手を離すまでにはいかない。

 前に撃ったファイアーアローより小さめのを作り、何発か口の中に放った。

 それだけで蛇はのた打ち回りいっそう激しく暴れる。ちなみにいい匂いがする。


「おにいが戦うならもう安心だよ。全部うまくいく。おにいは最強のヒーローなんだから」


 信頼しきった顔でだらだらと寛ぎながら俺のことを自慢するように語っていた。

 信頼しすぎだろ、悪い気はしないがな!


「何言ってるの! せめて援護くらいはするの!」

面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。

思ってくれた方はぜひ、ブックマークと下の評価を5つ星よろしくお願いします!

一回でもクスリとしたら、わかりますよね?

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