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 くんかくんか、くんかくんか。


「こっちだよ!」


 なんとこの猫、鼻まで効くようだ。

 森を抜け、草原を抜け荒れ地を抜け、気が付くと砂漠までやってきた。

 あぢぃ。

 家つくりで余った金、百二十円。

 くっ、通販じゃジュースが買えねぇ!


「いやぁあああああああ」


 誰かの叫び声が聞こえた。


「みつけたよ!」


 俺でも聞こえたからそんなかっこよく言わなくていいぞ。

 ネッコと共にすぐそこに駆け付けると、そこにはホワイトタイガーの耳と尻尾が生えた獣人族達が休憩していた。岩の下の木陰だ。


「いやなのぉおおおおおお、ミミズなんて食べたくないのぉおおおおお」


 幼女がぐずっていた、確かにミミズは食べたくない。


「ダメでしょ! 食料は貴重なんだから我慢して食べなさい! お母さんが食べちゃうわよ!」

「……え? いいよ?」


 口の開いた瞬間母親が幼女の口にミミズをねじ込んだ。天才だ。


「いやんんんんんん! …………あ、美味しい!」


 パッと幼女は泣き止んだ。

 人型に戻ったネッコたちとそれを眺めていると、三人の獣人族がこちらに近づいてきた。女性の獣人族がこちらに小走りで一番早い。


「ネッコ!? ネッコじゃない! いきなり冒険者になるって言って飛び出して行って心配したんだから!」

「!? だれ!?」


 え!? 知らない人!? こわっ!

 ネッコが指さすと、その女性はネッコに素早くスパーンと張り手をしたようで。

 いきなりビンタ!? 獣人族こわっ!


「っ! お母さん!」


 ……え!? こいつ母親の顔を忘れてたの!?

 遅れて残りの二人がやってきた、一人は女性と同様虎耳の生えた男性で、おそらく父親だろう。もう一人には猫耳が生えていた。


「頭お花畑のお姉ちゃんにゃ、あちょんで~」

「んは~、大きくなったにゃ~、こっちだよ~おいで~」


 と二人して駆け出して行った。妹? だろう。頭を馬鹿にされてそうだが。


「うちの可愛い娘がお世話になったようで」

「あ、いえいえこちらこそ。それより飲み物ありませんか?」


 お父さんに頭を下げられたのでこちらも丁寧にお辞儀した。

 水をもらい一息つくと。


「うわ~、砂漠なのにためらいもなく水をもらってますよこのクズ、私でも遠慮しているのに」


 ……………………あ、やっちまった。日本にいた時の感覚で。

 キュラは無視し。


「ネッコが集落に挨拶に行きたいと言ったので」

「それでわざわざ人種の方がこんなところまで、ご足労おかけしました。ちなみにネッコが出て行ってすぐに集落は跡形もなく飲み込まれました」

「え!? なにかお力になれることはありますか?」


 好都合だ、村に誘おう。

 ついでに水の礼としてなにかしなきゃ! 金がないから水分がだせねぇ!


「サンドスネークという、それはもう大きな魔物ですので、助けて頂くには大変かと」

「へぇ、そんな大きな蛇がいるんですか、どれくらい強いんですか?」


 ぶっちゃけ神なんだから負ける気がしない。


「蛇? そうですね、人種の強さで言うと、英雄級でしょうか。もしくは上級をいっぱい死なせればなんとか」


 なんか目の横がピクッってなったぞ。スネークだから蛇だろ?


「それくらいななんとかなりそうですね」

「はっはっは、ご冗談を。サンドスネークを倒せる英雄には見えませんなぁ、チビのガキが」


 あ、これなんか怒ってきてるぞ?

 俺よりも先に気が付いたのは、やはり付き合いの長い奥さんだった。


「お父さん? そんなに言うなら腕相撲で試しましょう、よいしょ」


 大きな石の上部をスパーンと切り裂いたかと思うと、平らになっていた。強そうですお母さんも怒ってらっしゃいます?

 腕まくりをすると自信満々に言い放つ。


「力で示せ」

「「「「「それが我ら、獣人族!」」」」」


 どこから聞いていたのか獣人族は一斉にボディビルダーのするポーズをした。幼女もだ。

 この種族がちょっと嫌になった。


「「獣人族ってキモい種族なの」ですね」


 同感だ。


「虎族プライドは命の次に重い、ただの蛇だと? 我々一族より強いだと? ならそれを証明したまえ」

面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。

思ってくれた方はぜひ、ブックマークと下の評価を5つ星よろしくお願いします!

一回でもクスリとしたら、わかりますよね?

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