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こいつも頑丈だな。
「ほら見てみろ、妖精の里だぞ綺麗だな」
「いえ私は来たことあるのでそんな感動はありませんよ、なに自分基準で語ってるんですか?」
こいつ辛辣だな。
それにしてもすごかった。
森に囲まれ木と木の間から漏れだす幻想的な光。木の幹にある妖精用の小さな家。
澄んだ空気と木々のざわめき、肌を撫でる心地の良いそよ風。
そして元気に笑いながら飛び回り、追いかけっこをする妖精。
楽しそうに踊り、歌を歌う妖精。
一人一人が違う光を身にまとい、遠目に見ると光自体が意志を持ち、ダンスをしているように見える。
そんな中、キュラは日傘を差していた。
「この羽虫眩しいんですよ」
「羽虫とか言うな」
「で、何しに来たんですか?」
「三人目の仲間を探しに来た」
「仲間!? 三人目!? もしかしてその小虎と、羽虫が、私の仲間ですか。ゆ、愉快な仲間ですね~」
顔がピクピクしてるけど、俺からしたらお前も大概だぞ。
里に入っていくと妖精達が集まってきた。
「お客さんだ~」
「ほんとだ~珍しいね~」
「なにしにきたの~」
可愛い、小さいし、無垢っぽいところがまたいい。
キュラは追い払うようにしているが、頭がおかしいと思う。
「実は囚われの姫と言われる者を探しているんだよ、知ってるかい?」
俺は幼女に話しかけるよう、優しく話した。
女神の話を思い出しながら話したが、そういえば囚われの姫といっただけで、妖精とは言い切っていなかったことを察した。
というか、なんで捕まったんだ? ここに囚われることしたのか? 逃げ出せるだろ。妖精とか小さいし。非力だし。
「あの子じゃない? ほら」
「あの乱暴者の子か~」
「こっちだよ~」
どうやら案内してくれるようで黙ってついていった。
そして疑問はすぐに解消された。
「ここだよ~」
「あんまり外に出てこないんだよ~」
「頑張ってね~」
……ただの引きこもりらしい。
他の家と違い光の届かないじめじめとした場所で、里から少し離れていた。妖精達の声は届かない場所だ。
「あの~、こんにちわ」
「……なにかようなの?」
「ちょっと、その出来たら仲間になってほしくてですね」
「他をあたってほしいの」
ですよね、いきなり仲間になれっておかしいよね、会ったこともないもんね?
というかさ、引きこもり仲間にするっておかしくね? 外に出たくないんだよ? どうやって冒険なりするの?
「この羽虫、甘えてますね」
「引きこもりは甘えじゃないぞ! やめなさい! きっとこの子だって外に出たいんだけど理由があるんだ!」
「そうなの! フェアだって外に、……別に出たくないけど、理由はあるの!」
出たくないんか~い。しかし理由が聞けるなら解決はできる! ……かもしれない。
「理由を教えてくれるかい?」
真摯に対応しよう。
「……フェアは昔ギフトでみんなを傷つけてしまったの、…………よく考えたらそれはフェアが悪いわけじゃなくてギフトが悪いの!」
ん?
「外に出なくても楽して生きていけるって気が付いてしまったの。神様のせいなの、フェアは悪くないの!」
くっ、こいつ甘えてんじゃねーか! ってゆーか神のせいにすんな!
見かねたキュラが強硬手段に出た。ここの里から早く帰りたいんだろう。なんでだろう。
「やっぱり甘えじゃないですか! このドアを開けなさい!」
「いやなの絶対開けないの! ひ弱な人種に開けられると思うななの!」
ドアを押さえているのか、キュラは開けられなかった。
妖精種の方が小さいしひ弱そうに見えるんだが、ギフトだろうか。
そもそも、引きこもりを無理やり出してもいいことなぞひとつもない。
「いったん帰るぞ、作戦会議だ」
「バカバ~カ! 二度と来るななの雑魚! 低能!」
ブルゥアアと叫び、血管がブチ切れそうなキュラを引きずり里の切り株に腰を下ろした。
「仲間にしたいんだから無理やり出しても意味がないだろうーー」
力があがる系のギフトだろうか、そもそもギフトについてあまり知らないが、有能そうな感じがする。ネッコのは小虎に変身するだけの雑魚だろうが、そういえばキュラのギフトは何だ?
そんなことを考えながら話した。というか気になるなら聞けばいい。
「というかキュラのギフトってどんなことができるんだ?」
「ギフト持ちって言いましたっけ?」
「……女神から聞いた」
「え? あの……頭大丈夫ですか? ……まぁいいです、光を消したりーー」
「いやぁ、なんで! なにがおきたの!?」
手のひらを向けると妖精の纏っていた光が消えて、体を隠しながら叫んでいた。
「点けたりできます」
すげぇ! 妖精って光が消えると全裸なんだ!
面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。
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一回でもクスリとしたら、わかりますよね?




