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 追加のカメラを渡した。

 荒くれ者たちが去るのを見送ると本題だ。


「金を工面したんだから俺の下で働いてもらうぞ?」

「窮地を救っても貰いましたしいいですよ、私キュラっていいます」


 すごくいい笑顔だ、ん? なんだろう、目がいやらしくニヤけているような……こいつ! 金づるを見る目してやがる!

 そういうと足元が光った、どうやら使徒契約でもしたようだ。

 軽い頭痛のフラッシュバックがあった。

 あれ? なんで俺マンションよじ登ってるの? ただの同級生のために危険なことしてんじゃん、なんか舞ってるし。まあ考えても仕方ないか。

 キュラの身長は高校ニ、三年くらいだろうか。髪の長さはロングで水色、落ち着いた印象を受ける。

 こんな大人しそうな髪色と髪型をしてるんだ、きっと金が要る事情があったに違いない。


「ところでお前、なんでそんなに金が必要なんだ? なんか困ったことでもあったのか?」

「いえ? ただお酒を飲んでいたらなくなりました」


 こいつゴミじゃん。女神の人選どうなってんの? ギフトがとてつもなく有用じゃなかったらぶっ飛ばす!


「とりあえずネッコを連れてこの町を出ーー」


 俺はぶっ倒れた。




「お告げの時間だし~」

「……なぁ、俺の体っていまどうなってんの?」

「ぶったおれてるし?」

「ふざけんなよ! ぶっ倒れてるし、じゃないんだよ! 今スリの目の前でぶっ倒れてるんだが!? 金なくなってたらどうすんの!? てかあの使徒なんなの!?」

「はぁああああ!? あんたが了承しないから頭に言葉飛ばせないし、スマホも繋がらないから仕方なくお告げに来てあげてんのに何その態度!」


 あ、着拒解除してなかったわ……。


「ごめん、次からスマホ出れるようにしとく」

「三人目の使徒を見つけたらもう寝てるときだけかスマホにするし、あ~しだって忙しいし!」

「ならいいか」

「ものわかり良いとこだけは優秀だし、三人目は妖精の里にいる囚われの姫だし、場所は二人目が知ってるし」

「おお、やけに具体的じゃないか」

「でしょ?」

「でもさ、よく考えたらさ、このお告げ? 別に今じゃなくてよくね? そしたら俺さ、気絶しないんじゃね? 三人目はこの町じゃないんだろ?」

「ノリ的な? 女神っぽくね?」

「お前の都合じゃねーか! しかも使徒の人間性どうなって――」

「んじゃいってら~」

「うん、はやいね、切り上げるのが。俺直前までお前に怒ってたんだよ?」




 起きたらキュラの店だった。

 人が後ろで寝てるのに平気で占いを聞いている客はおかしいし、また腹に乗って寝てるネッコにはイラつくし、懲りずに金をだまし取っているキュラはやばい、女神の人選はどうかしてる。

 客が帰るのを見送り、店を閉めさせた。


「なんだこのクソみたいな現状」

「知ってますか? 『クソが! ほにゃららしちまった』って言うと何でも許されるんですよ?」

「は? 何言ってんの?」

「ふふん、ストレスがたまっているようなので、私が人生で得た教訓を教えてあげましょう。驚きできっとストレスなんてなくなりますよ」

「ストレスの原因お前だけどな」

「クソが! 仲間を裏切っちまった!」

「! すげぇ! 確かに仕方ない理由があって仲間のために自分の信念すら曲げてしまったかのような言い方だ! 実際には自分可愛さに仲間を売った可能性もあるのに」

「でしょう? クソが! 浮気しちまった」

「! 天才か!? 仕方ない理由があって彼女を傷つけないために嫌々やった感がある! 実際はただ気持ちよくなるために理性を押さえきれず負けただけのゴミクズ行為なのに! 他には!?」

「クソが! 漏らしちまった!」

「! ……いやそれはキモくね? お前の肛門が弱いだけじゃん。実際漏らした奴なんてガキの頃以外見た事ねぇよ」

「…………」


 黙るなよ。


「で、妖精の里ってどこにあるんだ?」

「ここから西北西に向かい、生贄の町を通り過ぎて大森林に入ってすぐですね」


 生贄の町に近いのか、好都合だな。女神がまた何かやらかすかもしれんし、先に里に行くか。


「よし、すぐいくぞ」


 俺はスマホでマップを開いた。コンパス機能もついてるやつだ。

 現在地とかは衛星でやってるって聞いたことあるけど。女神がなんかしてくれたんだろか。

 自分で通るとオートマッピングしてくれるらしい。女神がやってる可能性もあるが。


「え? あのちょ、セクハラですか!? 私はそんな簡単に体を許すような――」


 ネッコをしまい、キュラを担ぐと外に出て、跳んだ。


「誰か助けああああああああ!」


 妖精の里に。




 ぐったりしてくれたおかげで早く着いた。荷物は動かないに限る。

 ちんたら馬とか馬車に乗って移動するより圧倒的に跳んだ方が早かった。


「げふっ」


 おや、勝手に息を吹き返したようだ。

 コートの中にいたネッコなんてまだ寝てるぞ。


「私じゃなかったら、死んでます……」

面白そう、続きが読みたい、キャラ可愛い、など。

思ってくれた方はぜひ、ブックマークと下の評価を5つ星よろしくお願いします!

一回でもクスリとしたら、わかりますよね?

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