第一話
「あっ、、N125方向。敵いる。デバフ切れたら向かう。それまでお願い。」
「なるべく急いでね」
時間は深夜の3時。まさに『オタク』と呼ばれる風貌の少年。レン。
勿論レンは、自信をもって友人と呼べる相手は少なく、目の前の画面で話している相手。ルキ以外に
仲のいい人は居なかった。
「はぁ~、、負けた、、、てかもう三時か。そろそろお前の家に行った方がいいか?」
「あぁ、、、そうだね。」
レン達はとある部活に入っており、その部活の活動、そして距離の遠さから
早いうちに家を出る必要があった。
レンとルキは家が隣であり、いつも一緒に登校している。
「今日の授業ってアイツだろ?最悪なんだけど、、」
「そうだね~」
まさかの事。これが二人で話した最後の投稿中での会話になるとは思っていなかった。
朝、レン達が学校に着くと、そこにはピエロのような恰好をした、身長の高い男が一人。
この時間帯では、いつもはクラスメイトが全員いるはず。そして、身長の高さから生徒ではないことは確かだ。つまり、そのピエロは先生で、教室に誰もいないのも悪戯でしかない。そんなことは二人には容易に分かった。
「おーい先生~?なに~?ドッキリー?」
先生だとわかってるからか、ふざけた口調で話しかけるルキ。
そんなルキに先生は、ゆっくりと近づいていき、軽く触れた。
刹那____ルキが眼下から消える。________
「は?おい。お前、ルキをどこにやって___________
俺がけんか腰に話していく時。その視界は一瞬にして黒に染め上げられた。
_______気が付くとそこは、教室ではなく、どこか外にいた。
いったいどういう事なのか、考えていると周りにクラスメイトが数人いることに気が付く。
なんでこんな少ないのか、とまた増えた疑問を考えていると甲高い、耳障りな声で脳内に直接声が聞こえた。
「さぁ、今から異世界サバイバルのスタートです!」