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攻撃するのは楽しい

個人的な見解



世の中からいじめだのDVだのパワハラだのアンチの攻撃だの荒らしだの、他者を一方的に攻撃しようとする人間がいなくならないのは、つまりそういうことである。暴力であれなんであれ、他者を攻撃することは、楽しい。むかついたとか生意気だとか相手が悪いことをしてたとかアイツだってやってるとか、そんな表面上の理由はただの言い訳である。

他者を攻撃するのは、特に、反撃を許さずに一方的に蹂躙するのは、楽しい。何故楽しいと感じるのかを詳しく言えば、それは個々の状況によるだろう。征服感があるのかもしれないし、感情を発散するのが気持ちいいのかもしれない、万能感が、優越感が得られるのかもしれない。とにかく、それらが気持ちいい。だから、攻撃する。

だって、どんな理由があっても他者を傷つけるのは悪いことである。どんな理由があっても他者を攻撃していい理由にはならない。なのに、攻撃する。それは攻撃することが気持ちよくて、我慢できないからに他ならない。

そうしないのは、そうでないのは、攻撃するのはいけないのだと、"本当に"わかっている人か、私のように、他者を攻撃することに対してべったりトラウマが付いていて、ストレスで快楽を感じられない者である。それでも、他の状況では気付かずに他者を攻撃しているかもしれない(例えば不特定多数に対する攻撃ともとれるこの文章だとか)。

どんな状況でも、他者を攻撃しない、傷つけないのが良い事だと、そう言えるかはわからない。例えば、誰かを泣かせようと思って、暴力をふるったり意地悪をしたりするのは犯罪だが、感動巨編を書き上げるのは芸術活動である。要は、やり方である。とりあえず、誰かに物理的に傷を与えてはいけないし、心に消えない傷を作って立ち直れなくするのもよくない。

芸術活動までいかなくても、例えばゲームでNPC相手に無双するとかなら別に問題はない。他者に迷惑がかからないなら、概ね問題ないだろう、たぶん。

要は目の前にいたりいなかったりする相手も同じく心を持っている生物だということをよく理解して、その尊厳を尊重すればいいのである。へりくだれという意味ではない。同じ高さで、話を聞いて互いに譲歩し間を取ればいいのである。あるいは頭ごなしに押さえつけないだけでもいいかもしれない。

どんな理由があれ、意思疎通の出来る他者を攻撃して許される道理はない。咎められるかどうかは問題ではない。他者と友好的に生活する上での前提条件である。良識と言い換えてもいい。そしてそれを強制できる権利も誰にもない。それは暴力になるからだ。全ての人間は己の良識と理性によって、己の快楽の希求を抑制すべきである。出来ない者の方がおそらく圧倒的大多数だろうが。だから人類というものは今のところ知的生命体と呼ぶに値しないのである。

他者に、他者を攻撃しないよう求めるのも、やり方を間違えれば攻撃になる。結局のところ、根本的には、個々がそういう意識を持つ以外に解決法はないのである。つまり、現在の人類には無理な話だろう、たぶん。

別に、他者を攻撃することに快楽を感じることそのものが悪いというわけではないと私は思う。それは本能とか、そのあたりの機能である。それを自制することが出来ないのが、悪い。適切に理性を働かせることができないのであれば、それは知性のない獣と大差はない。多少知恵が回るだけ性質が悪いというものである。

全てに寛容になるためには、不寛容にだけは不寛容でいなければならない。だが、それと不寛容が害悪とされるものに攻撃していいかはまた別の話である。そもそも、攻撃してもしなくても、自分で改善できるものは改善するし、改善できないものは改善しない。あなたが他者を攻撃することを止められないとの同じだ。

復讐は復讐するものが気持ちいいからするのである。復讐されて改心するやつは、復讐されなくてもいつか改心する。改心しないやつは何があっても改心しない。

人の性根が不変かどうかはわからない。だが、他の人間が何を言ったとしても、そんなものは、本質的には無意味だ。本人が変わる気があれば、きっかけがあれば買われるかもしれないし、変わる気がないなら何があったって変わらない。

人間は他者を攻撃することで快楽を得ることができる。ただ、それを理性で自制できるものと、できないものがいるだけだ。私も勿論そうである。





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