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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第4章ですますわっ

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16

 今年の生贄は誰だったのだろう?

 記録の1番上に記されている名前には去年の日付が付いている。

 って事は、つまり?

 まだ出発してない可能性がある?

 まだ生きている可能性がある?

 確かめよう。

 生贄候補である魔法学校の学生が、先輩の意見を聞きたい。とか何とか言えば数分、数秒でも時間がもらえるかも知れない。

 生贄は数名の身内と神官と護衛を連れて神殿へ行く。ここで言う護衛は恐らくは騎士。

 魔法学校の教師や学園長や生徒会に、生贄に会わせてくれ。と頼んだ所で無駄なのは確かだ。ならもう騎士に直接聞きに行くさ。

 それでもオレだと分かれば話も何も聞いてはくれないのだろうから、カツラとコンタクトモドキが必要だな。それと性別を偽るために男装しよう。

 午後の授業が始まる前にいつもの訓練場へ急ぐ。

 格好はカツラとコンタクトを付けた運動着。

 特に男装をしなくともそれなりに見えてしまう貧相な体は、こういう時はかなり便利だ。

 「聞きたい事があるんだ!」

 遠くに騎士達が見えてきた所で大きな声をあげると、不思議そうな顔で数名の騎士がオレの方を見てくる。

 「どうしたのですか?」

 朝の訓練の時にいる騎士の1人が優しげな笑みを向けて尋ねて来るから、オレは少しばかり笑いそうになってしまった。

 オレに向かって1度も微笑んだ事のない騎士が、これ以上ないって位優しげに微笑んでいるのだから。

 「生贄の護衛って騎士がするんだよな?」

 まぁ、折角の微笑みもオレの質問によって凍りついた訳だけど。

 「えぇ……そうですね」

 答えてはくれるのか。

 秘密にしておかなければならないって決まりは特にないらしいな。

 「今年はいつ行くんだ?生贄になった人の名前は?神殿の場所は?会いたいんだ」

 さて、どこまでOKが出る?

 「何故そのような事を……」

 困ったようにキョロキョロと明後日の方向を彷徨う視線は、一向にオレとは合わない。

 ふむ。

 この感じなら粘れば欲しい情報が手に入りそうだ。

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