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怒鳴った後、いたって普通におにぎりを食べ進めるセミオンを横目に、オレも着々と巨大おにぎりを胃の中に押し込んでいく。
塩加減も丁度良いし美味しいのは美味しいんだよ、量が異常なだけで……。
しかし、あれだ。
急に怒鳴るなんて、なにかあったのだろうか?
聞きたいんだけど、聞いて良い事なのか?それに、怒鳴られた直後でオレからは話しかけ辛い。
声をかけるタイミングがあるとするなら、この巨大おにぎりを食べきった後の、ご馳走様。しかない!
いやいや、このおにぎりの大きさに対してツッコミを入れるべきなんじゃないか?
そうだ、そうしよう。
「大きければ良いというものではありませんわよ?」
一体何合の米を炊いたんだ?
「……声を荒げた事は、謝るよ」
ん?
あ、怒鳴った事に対する揶揄だと解釈したのか。
違うんだけど、まぁ、そういう事にしておいて、折角だし話し出す切欠にさせてもらおう。
「別に構いませんわ。けれど……どうされたのです?」
何となくの予想はつく。
アフィオのいるグループに自分が属する事になるなんて、ナナのヒロインマジックにかかっていない今のセミオンには信じ難いのだろうから。
「平民のお前に言っても、どうせ分からないさ」
ふむ。
やっぱりオレは平民扱いなのか。
つくづくこの世界に住む人間は、なんというか……騙されやすいんだな。
セミオンまでそう信じているって事は、天才的魔術の使い手と言われて、俺は天才過ぎて回りから恐れられているんだーとか悲観していたドラードまでもが俺を平民だと思っている事になるんだよな?
笑える。
何が天才だよ、アホじゃん。
「なぁ、侯爵家令嬢がこの魔法学校に通っている事は知ってるんだよな?」
別に仲間が欲しいとか、平民だと思われているのが嫌とかじゃないんだけど、1人くらいは真実を知っている人間がいても良いんじゃないか?って思いから、俺は午後の授業に遅刻するのを覚悟して説明する事にした。




