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自室に戻り、ご飯が炊き上がるまで鉱石製の棒で素振り訓練をして、そこからおにぎり製作に取り掛かり、鞄につめて登校した。
今日もしっかりと3人分のおにぎりを作ったのだが、昼休みになっていつものベンチでそれを頬張るのはオレと、セミオンの2人だけ。
ドラードはといえば、あれだけ嫌がっていた上流階級な食堂でおにぎりなんかとは比べ物にならないほどの豪華な食事をとっている頃だろう。
ナナとのイベントを起こしたんだ、オレと一緒にいるなんて時間の無駄遣いは止めたらしい。
そうなるといずれはセミオンも食堂に行くんだな……毎朝毎朝3人分のおにぎり作成していた事も良い思い出になるのか。
寂しくなるな……。
「ん?」
オレは今なにを?
寂しいって、元々オレは1人じゃないか。少しの時間一緒に、同じ釜の飯を食っただけの相手に、何を仲間意識持ってんだよ。
専属の侍女で、長い期間一緒に過ごしたフィンですら仲間じゃなかったんだぞ?
「うん?どうかしたか?」
今は隣にいるセミオンだって、根本は皆と一緒だ。
「なんでもありませんわ」
思い入れるだけ無駄だって分かってんのに、それでもおにぎりを作ってしまうのはどういう事なのだろう。
「ふぅん……なぁ。明日、俺の分のおにぎり、いらねーから」
しっかりとおにぎりを頬張りながら、明日は不要と言うか。
ナナとのイベントは発生していないと思っていたが、もしかすると既に出会っていたのか?だったら何故今ここにいる?
明日の昼休みに出会いイベントが発生する?
まぁ、どの道ナナの下に集う未来は変わらないんだから驚きはしないさ。ただ……急だなーって思っただけ。
「分かりましたわ」
明日からは1人か。
だったら少し時間をかけてサンドイッチでも作ろうかな……いや、ボッチ飯を充実させた所で空しいだろ。
体を鍛えてるんだし、ここは炭水化物であるおにぎりよりもたんぱく質の肉か卵が良いよな!
って……それハムと卵のサンドイッチで良いのか。




