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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第28章ですますわっ

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 色々考えるのは後にして、今はとりあえず煤を払って討伐クエストをして、出ている黒いモヤの掃除クエストをしまくろう。

 そんなことを考えていたというのに、オレの予定は煤を払うという初手から狂ってしまった。

 バリアを解除してテーブルの上にある煤を風魔法でササッと払ったまでは良かったんだけど、悪臭が辺りに広がった時、べちゃりと後ろから泥団子のようなものが飛んできたかと思った瞬間、彼方此方から魔物の気配が近付いてきてアッという間に囲まれてしまった。

 人のいない場所を目指していたので、ここがどのようなダンジョンなのかは分からないけど、魔物の多さからみると、間違ってもソロ向けの場所ではなさそうだ。

 レベルの低い魔物なら囲まれていようとも何とかなるけど、生憎集まってきている魔物のレベルはオレよりも少し弱い程度なので苦戦どころの騒ぎではない。

 戦おうなんて考えず、逃げることに全力を尽くしたとしても無傷って訳にはいかないだろうな……まさか、煤のニオイに魔物を寄せ付ける効果があるなんて新発見も良い所だよ。

 とりあえずここが屋外のダンジョンでよかったと思うことにして、真上に飛んで逃げてみた。

 歩行タイプの魔物は、それでも予想以上の跳躍力で飛び掛かってきて、危うく足を捕まれそうになったんだけど、どうにか上空に逃げることには成功した。

 高度をさらに上げつつニオイの効果のなさそうな広場を目指して移動をしてみれば、魔物達もオレに合わせて大移動を開始させたものだから、煤にはかなり強めのヘイト効果があると分かる。

 飛行タイプの魔物はオレと同じように飛んでくるし、バンバン攻撃してくる。

 まだ武器を構えての直接攻撃なら避けやすいんだけど、その中に魔法による遠距離攻撃を仕掛けてくる奴もいて、とにかく撃ち落されないように逃げるしかない。

 歩行タイプの魔物を引き連れたまま街道に出るのは危険だし、町に帰るなんてのはもっての他だから、歩行タイプの魔物が付いてこれないような場所に向かえば……湖だな。

 ドォン!

 すぐ隣で大きな爆発音がして振り返ると、1匹の魔物がこちらに向かって片手を出した格好をしていた。

 恐らくは爆発系の攻撃魔法を放ったんだろう。

 まずい、爆風で耳がやられたらバランス取れずに墜落する可能性が出てきた。

 気合を入れて上に逃げるスピードを上げつつ、下に広がる森の風景の中に湖か大きな川がないかと目を凝らすが、それらしいものはなくポツポツと平原があるのみ。

 バリアを張って地面に落下して、その後地中に潜って逃げるのが最も現実的な方法か?

 「……」

 そうだな、地面の中を潜ってこられる魔物がいたとしても空中と違って地中は目で追えないんだから一度に大量の魔物から攻撃される可能性は低くなる。

 1匹ずつなら問題なく倒せるレベルなんだし、そうしよう。

 ヘイトの効果が切れて落ち着けば町に戻っても安全だ。

 魔物達の攻撃を縫うようにして高度を下げ、魔物の攻撃が途切れた一瞬を狙って急降下した。

 その急激な空気抵抗で若干バランスは崩れてしまったがなんとか地面に足が付き、そこで周囲にバリアを張って、目くらましのためにバリアは地上に残したまま地面に潜った。

 「いてて……」

 完全に逃げることに集中したお陰でなんとか地中にまで逃げることはできたが、思った通り無傷では終われなかったな。

 いや、なにをもう逃げきれたと思ってんだよ、ここから地中を移動し続けて煤のヘイト効果が切れるのを待たなきゃならないんだ。

 とりあえずもう少し深く潜ったところでカワさんに連絡……は駄目か。

 ギルドにいないのにどうやってメッセージを送ったのかって聞かれたらキーボードの説明をしなきゃならなくなる。

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