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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第26章ですますわっ

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 ハザマとは、神出鬼没なものである。

 ハザマからは異世界から道具が飛んでくることがあり、逆に送り込むこともできる。

 ハザマから飛んでくる道具は古代道具などと呼ばれていて、トランでは資料館みたいなものまで建てられている。

 そしてオードゥスでの目撃情報はなかった筈だし、ハザマの発生率も低いと聞いた。

 「うん……」

 確かにそう聞いた。

 しかし、そうだとしたら目の前に見えているこの裂け目のようなモノはなんだろう?

 確かにトランで見たハザマとは違って、空間にひび割れのような亀裂が入っているだけのコレは、ハザマではないと言われたら納得してしまう。

 いうなれば、これからガバッと割れてハザマになる感じ?

 もしくはこれから完全に閉じるのか。

 でも、オレがトランで見たハザマは、徐々に穴が小さくなって消えたのであって、こんな空間が閉じていくような感じではなかった。

 周囲には相談できるような者はいない。

 それもその筈、ここは守り神が封印されている窪みの地下に作った隠し小屋なのだから。

 クロさんとカワさんは、本格的にレベル上げをしたいノータスとコーラル、ベルノーズを連れて修行と称したクエストの英才教育をするために旅立ち、ドラードはケリーと共に魔力操作の訓練中、ブラックはクオンについての調査中。

 そしてオレは1人で隠れ小屋に置いていた荷物を片付けるため、恐る恐る窪みにやってきたというわけだ。

 封印を解除していないのだから守り神が出てくることはない。そう何度自分に言い聞かせたところで、怖いものは怖い。

 自分で描いておきながらなんだけど、まさかあんな巨大な龍だとはね……。

 で、片付けようとして入った小屋の中に、この亀裂を発見したというわけだ。

 こじ開けてみる?

 いや、そのまま吸い込まれでもしたら大変だな……。

 なにか投げてみる?

 石ならどの世界にもあるだろうし、投げ入れても平気……石に付着した微生物が異世界先の生物に悪影響を及ぼさないとも限らないのか。

 魔法があって、普通に回復魔法が使える魔法使いがバンバンいる世界なら問題なさそうだけど、地球みたいに魔法って概念すらないところだと、未知の微生物なんて投げ入れたら一大事だ。

 なら、水属性で出した真水ならどうだろう?

 手から出したばかりの水なら微生物も入らないだろうし。

 そんな脳内会議の末亀裂から離れ、更には地魔法で土壁を作り、その後ろから氷で棘を作って亀裂に向かって攻撃をしてみた。

 結果、特に変化なし。

 少し近付いて観察してみても亀裂は亀裂のままで、なにかが飛び出してくる様子もないし、こちらからなにかを入れられるほどの隙間もない。

 亀裂があるということは、この周りは”無”ではなく、なにかしらの物質があるということだろうか?

 怖さ半分、好奇心半分。

 大剣を構え、剣の先で亀裂の横をつついてみれば、僅かになにかがあるような手応えを感じた。

 硬い固形物があるというよりも、物凄く弾力のある……グミ?うん、グミみたいな感触の物が亀裂の周囲に感じられる。

 だとしたら、これはやはりなにかしらのゲートなのだろう。

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