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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第3章ですますわっ

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13

 騎士の訓練が始まるのは朝日も眩しい早朝だ。

 屋敷にいた時には夜が明けて間もない薄暗い時間を早朝と言っていたので、魔法学校での生活環境は少々温い。

 そんな温い時間に始まる温い訓練なのにも拘わらず、始めの頃は大勢いた訓練への参加者も今では数名となっていた。

 毎日顔を合わせていればなんとなく仲間意識も芽生えてきそうなものだが、オレに向けられているのは始めの頃と変化もない白い目だ。

 代わりに皆から笑顔を向けられているのはフィンとスフィアを従え、ノータスの様子を見に来ているナナ。

 これは、むさ苦しい体育部にいる可愛らしいマネージャーって所だろう。

 訓練には一切参加せず見ているだけで、その横にいる2人も特に何もせずに立っているだけだというのだから、時間の無駄だなぁー。なんて、かなり他人事のような感想が1つ。

 基本的にオレはヒキニートである前世そのままの性格で、言ってしまえば転生したというよりも召還された感覚に近い。

 まぁ、エイリーンとして生きてきた間の記憶もバッチリあって、何を思っていたのか、何を考えていたのか全部頭の中にあるんだけどさ。

 あの部屋に閉じ込められたエイリーンは、早い段階で信用出来る人間が何処にもいない事に気が付くんだ。

 周囲に期待する事も、助けを求める事も諦め、自分を諦め、そして心をなくした。

 そうなってから蘇った前世の記憶。

 こうして空っぽだった心の中にはオレの意識しか残らなかった……んだと思う。

 だけど、人を信じられなかったエイリーンの想いはオレの中にも深く根付いていた。

 オレから離れていったフィンとスティアに対して思った事は“やっぱりな”だったのだから、味方でもなければ仲間でもなく、信じてすらいなかったって事なのだろう。

 だからこそ余計に思う。

 エイリーンは何故、嫌がらせが出来るほどナナを恨む事が出来たのか……。

 平民だと勘違いされたから?自分とは間逆の光属性だから?沢山の異性を侍らせているから?同じ青髪赤目だから?

 エイリーンの感覚は心に残っている筈なのに、オレは特にナナを如何にかしようとは考えていないんだ。

 それ所か、結構どうでも良いとさえ思えて……あ、そうか。オレは自分が最終的に生贄になる事を知っているんだった。

 守り神である赤いドラゴンに踏み潰される結果を思えば、平民扱いされていようがなんだろうが些細な事柄に感じられる。そして、その守り神を倒すって大きな目標まで掲げてるんだから恋愛どころでもない。

 んだけど、やっぱり何処か腑に落ちない……。

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