表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第24章ですますわっ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

552/706

 教会の礼拝堂と言うのか、祈りの場所は一般公開されているため、難なく教会内部への潜入に成功し、壁の一面に描かれた絵の解読から始めることにした。

 とは言え、専門的な知識なんかないし、この内装も元はと言えばオレが描いた絵であるから、もしかするとなんのヒントもない可能性はあるんだけど、まぁ……あるかも知れないってことで。

 「タロ……」

 少し離れた場所で絵を見ていたベルノーズがオレを呼び、途端に喋らないでくれって話しを思い出したのか口を押さえた。

 どうしたのかと近付いて行くと、壁を指差している。

 指差されている場所には、如何にも魔王だなって形の黒い物体と5人の人が描かれ、その横には5つの台座で囲まれた龍が描かれていた。

 間違いなくこれは勇者と魔王の戦いについて描かれたものだ。

 この絵から分かることはドラードから聞いていた通り、封印されたのはドラゴンの方だということと、ドラゴンは魔王と戦うよりも前か、戦っている最中に封印されていること。

 「……」

 その他に真新しいヒントはー……分からない。

 もう良い、直接質問してやる。

 「ベルノーズはこのまま絵を見ててくれ。オレは話しを聞いてくる」

 と、まずはシスターから話しを聞こうと近付き、勇者についての話が聞きたいと申し出た所1冊の絵本を手渡されてしまった。

 仕方なく目を通してみるが、それは街で購入した勇者についての絵本と内容に大きな違いはない。

 絵本をシスターに返却しつつ、勇者が後世をこの教会で過ごしたことを知ってるんだと伝え、勇者ゆかりの物が見たいと願い出てみた。

 もちろん、それなりのお布施を用意していることも告げながらだ。

 「こちらが、勇者様が過ごされた部屋と伝えられています」

 そう言って通されたのは、もう既に勇者ゆかりの地としての観光にでもなっていたのか、何人かの見学者が部屋の彼方此方に展示されている服やら武器やらを見ている部屋だった。

 結構なお金を積んで、一般公開されている場所に案内されるとは思ってもみなかったわ。

 とはいえ、この部屋で勇者が本当に過ごしていたのだとすると、なにかしらのヒントがあるかも知れない。

 グルリと部屋を見渡せば、部屋に対して大きな窓が目に付く。

 壁一面が窓と言っても良いレベルの大きな窓だから、バルコニーになっているのかと思えばそうではなく本当にただの窓。

 それで眺めはかなり良くて、ブワーっと広がる街並みと、その奥には森の景色が広がり……あぁ、ここを真っ直ぐいけば魔王……じゃなくてドラゴンが封印されている岩山があるのか。

 人柱になったという仲間に向かって、ここから祈りを捧げていたのだろうか?

 だとしても、こんな大きな窓って必要じゃないよな……これじゃあドラゴンの方の訪問を待っていたようにも思えてくる。

 いや、ドラゴンにとってはこの窓は小さいか。

 だとしたらなんの為に……鳥でも飼ってた?

 いや、今は窓の大きさよりもオレの私物に繋がるヒントを探す方が重要だ。

 勇者が教会で生を終えたのなら、自室であるこの部屋のどこかにヒントがある筈……と考えたら、やっぱりこの大き過ぎる窓が気になるんだよな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ