表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第23章ですますわっ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

536/706

10

 この期に及んでオレはスティアに対して“向こうに付いた”とか考えたことに対して頭を抱えた。

 攻略対象者……いや、この世界にいる登場人物は全員、モブ1人漏らさずに全員がナナマジックにかかる可能性がある。

 この世界におけるヒロインがナナで、悪役令嬢がエイリーンである以上オレはこの世界では悪役にしかなれない。

 そんな中で攻略対象者に向かって“向こうに付いた”だって?

 「……フフッ」

 そんなもん、この世界が出来上がった瞬間から攻略対象者は全員が向こう側だよ。

 「タロー?」

 耳鳴りだとか、催眠術だとか言ってんのも、ナナマジックに抗ってるよーとか見せかける為だけのイベントだろ?

 オレはこの世界の人間じゃないんだ、本当にもう巻き込まないで欲しい。

 エイリーンを幸せにすることがオレの最終目的だよ。

 なのに、ナナ側の人間……攻略対象者が近くにいてはいつまで経ってもエイリーンは幸せになれないじゃないか。

 ドラードも、ベルノーズも、エイリーンには必要がないんだ。

 もしナナマジックに抗いたいと本気で思うのなら、それはもう勝手にしたらいいさ。

 「オレはオレの目的を果たす。もう会うこともないだろう」

 最後の挨拶をして、地中に深く深く潜り込んだ。

 飛べば楽なんだろうけど、飛んで逃げようとして腕と足首に捕まってきた猛者達は、きっとまた付いて来るだろうと思ったから、地中。

 ドラードは地属性を持っているけど地中に潜る技は持っていなかったから、すぐに追いかけられることはないだろうし、深く潜りながら前にも進んでいるのだから場所の特定もすでに難しい筈だ。

 オレが冒険者だったら検索かけられて座標が知られる所だけど、ただの商人だからな。

 ここでコンタクトモドキとカツラモドキを新調してしまえば、地中から出る現場を目撃されない限りは正体がバレることもない。

 後は目の前で誰かが物凄いピンチに陥っていたとしても、助けてしまうって悪癖を発揮させないだけで良い。

 「熱っ……」

 ドラードがまた核を使ってオレの内臓を攻撃し始めたか……地中に潜っているこの技は、地の魔力で自分の周りの土を押し退けている感じだから、ここで気絶した所で穴を掘った空間の中にいる状況は変わらない。

 つまりは、生き埋めにはならない。

 掘り起こし作業を始められたとしても、どの方角へどの程度の深さで移動したのかが分からない限りは捜索範囲は時間が経てば経つ程広がる。

 現時点で10秒は経ったから、半径にして8歩とか10歩かな?これでも結構捜索範囲としては広いだろう。

 「熱いって……」

 これ、完全に気絶させにきてるな……本当に厄介な弱点をつけられてしま……熱いなら冷ましてみたらどうだろうか?

 とりあえず、ボーッとする頭に水属性で出した氷水をかけてみた。

 キィンと頭は冷えたけど根本的な解決にはならくて、とにかく体の中が熱い。

 だったらと氷水をガブ飲みしてみたけど、食道の辺りが冷えただけで全身が燃えるようなビリビリとした熱さは変わらない。

 ならばと全身を氷水で覆った所で、あまり効果があるとは言えなかった。

 逃げるしかなさそうだ。

 ……あぁ、そうだ。

 逃げたら駄目なんだったわ。

 忘れてたよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ