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晴れて1組となったオレとスティアは、クラスメートとなるキラキラした貴族達から離れた場所にいた。
オレはもちろん主人公を見る為で、スティアは……気後れしてしまっているらしく、貴族の輪の中に入る事が出来ないと身を小さくして訴えてきた。
そんなに萎縮するんならどうして1組になったんだ?と疑問を抱かずにはいられないが、重要なのはゲームの設定が覆った事だ。
設定は努力次第で覆せる。それが分かったのだから感謝しなきゃならない。
しかし……正門の外にいる生徒は残り数人となったというのに、主人公らしい人物が見当たらないのはどういう事か?
オレ達が到着するよりも先にテストを受け終えていた?
だとしたら2組の所にいる人物1人1人を見ていけば……。
あ……。
2組の面々を見ようと振り返れば桜の木の奥に攻略対象者である者達の後姿だけが綺麗に見えた。
もしかして、この光景は?
「スティア、1組の集合場所へ行ってくださらない?」
怯えている背中をポンと叩いて励ませば、渋々といった風に歩き出し、時々振り返ってくる。
うん、そうだ。間違いなくこの光景はオレが描いたオープニングだ。とすると、桜の木の手前に主人公がいる筈なんだけど……。
「ごめんなさいっ、遅れました!」
そう言いながら息を切らせた少女が1人、正門前にやってきた。
なるほど、遅刻してきたのか。
顔を伏せて呼吸を整えている主人公がどんな顔をしているのかはまだ分からないが、透き通るような声の小柄な少女という事は分かる。
綺麗な藤色の髪は手入れが行き届いていて、オレの髪とは全く違うサラリとした質感。同じ青系の髪を持つエイリーンにとってはこれだけでも屈辱的なのかも知れない。
「では、攻撃魔法を」
教師の呼びかけに顔を上げた主人公は、真っ直ぐに教師を見つめるとかなり弱々しい攻撃魔法を教師の足元に向かって放ち、それでもチョコンと当ててしまった事に対して申し訳無さそうに顔を歪め、軽く負傷しただけのその足に向かって何か……キラキラとした粒?を出した。
恐らくあの粒は回復魔法で、光と闇の属性の違いはこの回復魔法が使えるか否かなのだろうと推測は出来たが、それよりももっと重要な物が目に入ってしまってそれ所ではない。
教師により2組だと告げられている主人公の瞳は、オレと同じで赤色だったのだから。




