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どうせ何処を向いても味方がいないというのなら……。
フィン以外の登場人物が皆オレに関心がないのなら……。
誰からも不快に思われているのなら、今更それは変わらないのだろう。
現にオレは自室に閉じ込められていて、時々庭をぐるっと散歩する事だけしかしていないのに“魔物の子”として忌み嫌われているのだから、オレの性格が悪いからとか、そんな次元で嫌われている訳ではない。
そこに存在しているだけで嫌われているのだから、必死に好かれようとしたって無駄なのだろう。
だったら、やる事など決まっている。
「やぁ庭師の息子。攻撃魔法の練習に付き合ってやりますことよっ!」
スティアには、家庭教師など必要としない程に強くなってもらい、そして1組になってもらう。
3階の窓から風魔法を使ってフワリと庭に着地したオレに続き、フィンが物凄い勢いでドスンと下りてきた。
大丈夫なのだろうか?と足元を見れば、足元の土が軟らかくなっていて、足は石の鎧でガードされている。
どうやらフィンはかなりレベルの高い地属性の魔法保持者のようだ。その上剣術にも長けているなんて、どれだけ有能なんだ?
気を落とすなオレ!
頑張るんだオレ!
「攻撃魔法を受けるのは生身の人間だが、わざわざ魔法を受けるというんだ。相当強力な防御魔法をかけているだろう。そしてまだ魔法力のコントロールも完璧ではない子供に攻撃魔法を打たせる内容、不測の事態を考えていない方が可笑しいだろ?だから傍には必ず医者がいる筈だ。まぁ、何が言いたいのかっていうと、遠慮せずにぶっ放せば良いって事。オレと共に魔法学校へ行くんだ、1組になる事以外は認めなくってよ?」
オロオロとしているスティアを前に淡々と話しながら大きな氷柱を作り上げ、攻撃してみろと合図を出した。
頼りなく泳いでいた目がしっかりと氷柱を見据え、両手を上げて砂の粒を一塊に集め始めた。
これは家庭教師の前で延々と練習していた、砂の粒を風に乗せて攻撃する魔法とは様子が違う。
集められた粒は次第に巨大な一塊の岩となり、スティアが両手を勢いよく下ろしたと同時、岩は氷柱を粉々に砕いたのだった。




