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いちいち紙を逆さに持って、まじまじと眺めてみて、読めないですよーってアピールを存分にしてから紙をテーブルに置いた。
「この模様は?」
とか言いながらだ。
すると今度はもう1人の方が紙をテーブルに置いたから、それを手にしてみてみると、今度こそまぎれもなくオレが書いた落書き「古代文字を読める者は、青い髪と赤い瞳を持っている」だった。
これを見てオレを名指して訪ねてくるってんだから、ある程度の解読は出来ているのか?だとしたらオレを見た瞬間に違うと分かっただろうに……だってホークは瞳だけじゃなくて髪も赤色だ。
「……」
ここで分からないと答えても何も聞き出せそうにないから……少しばかりヒントを出してみようかな?
「もしかして、これが古代文字?」
ローブの男は黙ったまま、また別の紙を出してきた。
そこに描かれていたのは「焼き肉クイタイ」と、言葉になってないない文字列だ。
「何か分かるか?」
この言い方じゃあ完全に解読できるものはいないようだ。だけど一部分だけは解読できたのだろう。だからオレの所に来た……それは恐らく”赤い瞳”って部分。”青い髪”を解読できているならオレは対象外だと気付いた筈だしな。
「……希少価値のある光属性の人間なら読めるんじゃないか?」
古代文字の研究者は既に魔法学校で古代文字が読めるかどうかを生徒に聞いていた。だからナナが読める人間だったのなら何かイベントがあった筈。
まぁ、完全に解読が出来なかったからこの2人が今ここにいるんだろうけど。
「読めた者はいない。それは光属性の者であっても変わらなかった」
あ、本当に読めなかったのか。
「それ以上は……」
「黙って下さい」
ん?研究者同士が何か険悪だぞ?
「少しでも良いんだ、読める場所があれば教えてくれ」
え?いや、そんな事を言われましても……。
「やめなさい」
止めに入る1人の研究者の言葉も聞かず、男は恐らくは持参していた古代文字の資料を全てテーブルの上に雑に出すとオレを見てきた。
フードを頭から取って、だ。
うんうん、見事なまでのキラキラっぷりじゃあないか。あれだな、知的枠のメガネボーイだな。あぁ~だからここまでの攻略対象者にメガネをかけてるキャラクターがいなかったのかぁ。そりゃ隠しキャラクターの属性だったんならしょうがない。
で?
何故ここに攻略対象者が来るんだよ。
こうなるって分かってたら瞳の色を赤になんてしなかったのに……って、今更だな。ならもう何も知らないと言って帰ってもらおう。
「いい加減になさい。部外者に極秘資料まで見せるなんてどうかしています」
ほぉ?
極秘資料がこの中にあるんだな?
興味をひかれたので視線だけを向けてみると、就学前の子供がいるご家庭の浴室にあるような“ひらがなの表”が出てきた。
文字が抜けてるし、非常に言い辛いけど……その、間違ってるけど……。




