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ナナを冒険者にしないための第一関門であるベルノーズとの出会い。
もし、オレがここでベルノーズの申し出を受けて冒険者として連れ回せば、それはもうナナとの出会いイベントを先取りできたって事で間違いないし、そのままナナとの出会いさえ起こさなければベルノーズが1番好きな人物はナナではなくエイリーンって事になるんじゃないか?
攻略対象者の中で唯一エイリーンを1番に好きになる人物……いや、一瞬でもナナが目に入った時点でアウトか。
第一オレは来世に行くための暇つぶし中なのだから仲間なんか必要ないし、そもそもそういうのが面倒だから1人になったんだ。
「仲間はいらない」
あぁ、でも勇者御一行の住んでいた場所とか、所縁のある場所とか、そういうのは聞きた……待て待て、勇者についての文献とか探せば意外と簡単に知る事ができそうなものに、よりによって攻略対象者を巻き込むのは良くないな。
1秒でも早くに離れた方が良いんだ。
それで間違いない。
「仲間はって事は、なんなら良い?」
いきなり流暢に喋るようになったかと思ったら、今度は距離感が可笑しいわ。
もしかしなくても、何か好感度アップイベントを先取りした感じだ。
「オレはソロ志向なの!1人が良いの。仲間とか付き添いとか友達とかも求めてない」
求めてないというか、そもそもオレに味方する登場人物がこのゲーム内にはいないってだけなんだから、もっと単純に考える事ができる。
オレも、この世界にいる登場人物が嫌いだ。
信用できないし、信用する理由も意味もなにもない。
ただのNPCなんだから、例えばここでオレがベルノーズを攻撃して殺してしまえばナナとの出会いもイベントも全てをなくすことができ……そうか、そうだな。
なんだ、どうして今まで気が付かなかったんだよ。
寝返る前に皆殺しにしとけば、将来敵として再登場するって恐怖もなくなるんじゃないか。
それが例えばタロウの姿でやれば誰もエイリーンを疑わない……最大の敵であるヒロインと攻略対象者という連中を根絶やしにしてしまえば、それって、エイリーンにとっての自由だ。
で、キヨタカとして冒険者を続けてお金を稼げば住む場所にも食べる物にも困らない。
「仲間、付き添い、友達……それ以外となれば、ライバルとか、親友とか、兄弟ですか?」
違う!
え?まだそこで頭を悩ませてたのか!?
「違う違う、お前は将来オレの敵になるんだ」
詳しいストーリーは知らないけど、それは間違いない筈だ。
「敵?何故?」
今はまだナナは冒険者寄りのルートを辿ってないから、ギルドの受付をしているベルノーズとの接点はない。
よし、面倒臭いから会わせてやろう。で、もう1度しっかりと敵だって言ってやれば”そうですね”みたいな台詞が聞けるはずだ。
そうなれば攻撃もしやすくなる。
恐らく今頃はスティア以外の全員がナナマジックにかかっている筈だから、ドラードのステータスも初期のへっぽこだろう。
力を付ける前に叩いておかないと厄介だし、まずはあの朴念仁からやってやろう。
その次は初期からチンパンボブリン程度の力を持っているノータスだ。




