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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第1章ですますわっ!
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 オレはご令嬢様で、任意ではなく強制的なヒキコモリとして、決してスクスクとは呼べない成長具合で年を重ね、魔法学校に通う事になる。

 そこで攻略対象のキラキラ王子やら、キラキラ王子に劣等感を抱いている第2王子やら、将来騎士になる事を目標にしている脳筋やら、魔法力に優れている朴念仁やら、無駄にハイスペックなキャラクター達との恋愛事を……している主人公を妬んで嫌がらせの限りを尽くす事になるのだ。

 えぇ、えぇ。非常に分かりやすく言うと悪役令嬢って奴。

 とはいってもお約束中のお約束である“王子の婚約者で、近付いてくる主人公が気に入らない”との設定はなく、ただただ単純に主人公が嫌いだから嫌がらせをする事になっていた筈だ。

 で、そんなオレはこれまた非常に分かりやすい結末を迎える事になる。

 元より疎まれていたオレが、ルートによっては王子の婚約者になる主人公に嫌がらせをしているのだ。コラッと口頭注意だけで済ませられる筈はない。家から追い出されて平民降格なんて平和的に終わる訳もない。

 オレは大まかなストーリーの流れは知っているが、詳しい内容は知らない。

 だけど知っている。

 オレは、実質死刑になるのだ。

 この世界には魔王が存在していて、勇者や大魔法使いってのもいるが、それらは世界観の説明としてちょろっとナレーションされるだけで、物語には登場しない。

 ただそれは魔王や勇者の事であって、国の守り神とされている中ボス的な魔物の事ではない。

 オレはたった1枚だけ真っ赤なドラゴンの絵を描いている。

 そのドラゴンの足元に小さく腕を1本描き込み“踏み潰されている人物”を表現した。

 えぇ、えぇ。

 その“踏み潰されている人物”が悪役令嬢であるオレという訳だ。

 ドラゴンはこの国を隣国や魔物の悪意から守る変わり、年に1度高い魔力を持った人間の生贄を要求している。そこへ丁度断罪されるべきオレがいた。

 生贄になれば国を救った英雄として崇められ、生贄になった者の家族には報酬が出る。しかし断罪となれば没落は免れない。

 という訳で親父は、オレの悪事が白日の下に晒されるよりも前に、物凄い即決で俺を生贄にする事を選択するのだそうだ。

 その秒速で家族に見捨てられる様は、主人公をプレイしている者の心を幾分かスッキリさせる事が出来る筈!と、設定集に赤ペンで書かれていたのだから間違いないだろう。そこで出るのがあの乙女ゲームらしからぬ“踏み潰されスチル”なのだから、ザマアミロを若干超えた、なんとも言えない気持ちになると思う……。

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