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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第13章ですますわっ

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 ドラードとスティアを連れてギルドに戻り、難易度3の討伐依頼を1件受けた。

 2人はケーキを手土産にして帰るよりも、冒険者として一緒に討伐依頼をする事を選んだのでしょうがない。

 ランクが上がった事へのプレゼントが一緒に討伐依頼って、どうなんだろう?

 まぁ、2人が良いなら、それで良いんだけど。それにオレも早くランクBにならなきゃいけないし丁度良かったよ。

 今回受けたのは街道に出る鳥系の魔物。

 なんでも商人の荷物を狙って降下してきて盗み去っていくらしい。

 野生の魔物なら主に食べられる物をとって行くのだろうが、商人の荷物を狙っている事から盗賊に飼いならされている鳥である可能性が高いらしい。

 それなら一緒に盗賊の討伐もすればいいとは思ったが、対人間は兵のする事であって冒険者がする事ではない。

 人間を相手にする場合は余程の緊急時か、兵から依頼された人間討伐依頼を受けるかのどちらかになる。

 そのせいでオレはケリーの親父がどんな罰を与えられたのすら知る事が出来ずにいたし、モニター台みたいな台座の所で延々待機させられたんだ。

 そして当然報酬はなし。

 さてと、街道に来てみてはみたけど……特に何もいないな。

 「商人が通るまで待機ですか?」

 それでも良いけど、街道を通る商人を襲うって事は街道が見える位置に見張りがいる筈だ。上空から注意深く見れば隠れている見張りを見つけられるかも知れない。

 「ドーラとクルスは分かりやすい位置で街道を見回っていてくれ。オレは上空から探ってみる」

 軽く短いミーティングをしてから別れ、オレは一旦街に戻ってから飛び上がった。街道沿いにある木々よりも高く、丘よりも高く。

 そうやってからドラード達のいる街道まで向かい、目に魔力を流して見張りを探してみれば案外簡単に鳥を見つけた。

 あれは……デカイな。

 タカとかワシみたいに始めから大きな鳥と言う訳でもないし、何ならそれより巨体なハト。

 姉はオレの描いた絵をそのまま実装したくなかったのか?その割には細かな設定はそのまま使われている……まぁ、ただのハトを魔物だって登場させてもハトですやん?となるんだろうから、大きさを規格外にしとけば魔物っぽくなるだろって、なんかそんな勢いを感じるわ。

 で、あのハトの設定だけど……あれは本当にただのハトを描いただけの落書きだからな……パンの耳を持ったジィさんの周りに集まっていくハトをモデルにして、人懐っこいなぁとか思いながら。

 描いた時のオレの想いが特性として現れるのだとしたら、あのハトは人懐っこい。だから盗賊に飼いならされているのか?

 だとしたら、パンの耳を持ったジィさんがいればハトはあます事なく寄ってくるはず。

 オレは街に引き返すと、美味しいサンドイッチを出してくれる店に行きパンの耳が余ってないかと尋ね、そこで大量のパンの耳を購入した。

 両脇に抱え、飛ばずに走ってドラードとスティアの元に戻ったら次の工程。

 「スティア、70歳くらいの姿になってくれ」

 戸惑いながらも70歳の姿になってくれたスティアに両手を出してもらい、そこに袋から出したパンの耳を置いた。

 その瞬間、あちらこちらから聞こえてくる羽音と鳴き声。

 よっしうまくいった!

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