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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第12章ですますわっ

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15

 オレは今、寮内にあるドラード達の部屋にキヨタカとしてお邪魔しています。

 そこにはもちろんかなり自然体なセミオンがいたのだが、キヨタカであるオレの姿を1度も見た事がなかったのかエイリーンだとはバレずに今に至る……。

 いや、何故こうしてドラードの部屋にいるのかというと全てがオレのせいでありまして……。

 「あのさぁ!さっきから何黙ってんだよ!ちゃんと質問に答えろよ」

 エイリーンと気付かれていた方が恐らくはこんなにも怒られてはいなかったような気がする。

 いや、まぁ、全てはオレの責任なんだから、セミオンのこの怒りはもっともだ。

 「あ、えっと……」

 「あんたには聞いてないんで黙っててもらえますか?」

 そしてセミオンはスティアの正体にも気付けていない。

 大きく見ると髪の色と目の色しか変えてないだけでこんな気付かない?

 よし、ここはもうドーラの彼氏として事を進めてしまおう。だけどセミオンは何度かオレのステータスを見てるからキヨタカって名前には覚えがある筈。ドラードには後から話しを合わせるように注意しくとして、ちょっとボカすか。

 「ドーラの弟、だよな?悪い……ビーの毒袋が割れて、それがドーラにかかっちまったんだ。毒消しを飲ませたから毒は抜けたんだけど……ギルド内に置いとく訳にもいかないし。ドーラが弟が寮にいるって言ってたからここに連れてきたんだ」

 と、いう事でどうかな?

 「はぁ?」

 そうだよな、王族の顔を知らないとかとんだ世間知らずだよな!言ってて自分でもそう思った。けど、平民の冒険者で王族の人とご学友じゃなかった者はこんな感じだと思う!

 「あ、オレは……ドーラの彼氏。こっちは兄で、今日ドーラと一緒に1次転職終わったばっか。2人を鍛えようって張り切り過ぎたオレの責任だ……ごめん」

 酷く狼狽えてしまったスティアは行儀よく正座したまま俯いて動かないので、恐らくは自分が今紹介された事にも気が付いていない?

 「……ドーラと一緒にもう1人いると思うんだけど、そっちは?」

 ん?もう1人って誰だ?

 ドラードはスティアの他にももう1人冒険者にしたって事?セミオンが気にする位だから重要人物だよな……でもオレはなにも聞いてないぞ?

 「誰か分かるか?」

 俯いているクルスの肩をつついて意見を求めてみるが、どうやら覚えはないようだ。

 「オレはドーラしか知らないけど?」

 あ、もしかしてケリー?でもケリーはギルドに顔を知られてるし、第一カツラモドキもコンタクトモドキも作った覚えがない。自分で変装をしたんだとしたら、それこそオレの知った所ではない。

 「あれ……ここは……お、私の部屋?」

 おぉ、寝起き数秒でこの頭の回転の速さは流石だ。だったら状況説明させていただきます。

 「ビーの毒被ったのは覚えてるだろ?そん時にお前学校の寮に弟居るっていったから、弟の部屋まで連れてきたんだよ。ギルドの個室じゃあ五月蠅いと思ってさ……その、他に男もいるし……毒消しはしたけど、大丈夫か?辛い所は?」

 どうだろうか。

 「弟……あ、あぁ。うん、気分は悪くない」

 悪くない、か。ってことは良くもなさそうだな。そんな中でちょっと酷だけど、もう少しだけ子芝居に付き合ってくれな?そんで状況説明もしたい。だからってギルドまで帰るって事はしないから安心して欲しい。

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