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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第2章ですますわっ

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 朝の日課をこなす為に大きく窓を開け、両手を窓の外にかざして小雨を降らせてみたが、昨日までのように窓の下を眺める気にはなれない。

 毎朝水をあげているのだから、オレが育てていると言っても過言ではない窓下の草……それがまさか単なる雑草とは知らなかったぞ。

 雑草という名の植物はない。

 とかなんとか聖人っぽい事を思った所で、雑草だし。

 なんだよ!毎朝毎朝どんな花が咲くんだろ~とか思ってたオレはアホか!?

 それでも毎朝水をやると豪語した手前、水をあげない訳にもいかない。

 これ、小雨を降らせるって物凄く地味なくせに結構魔力使うんだからな!

 と、庭師少年のスティアに直接文句が言える訳でもなし。

 オレの兄弟姉妹の母親達の反応から察すると、オレと仲良くしただけでなんか駄目っぽいから、向こうから来ない限りは話しかけないつもりでいる。

 そう、向こうからやって来るのを今か今かと待ち続けているというのに……一向に来やがりませんことよっ!

 毎朝水遣りをしている草が雑草であるなんて、絶好の話しかけポイントだと思うよ?

 単なる気まぐれで水を毎朝欠かさずばら撒いているとでも思われているのか?

 確かに魔力を放出するのは鍛錬になるんだけどさ。

 水遣りが終わり、溜息と共に窓の下を見ると、そこにはいつものように朝日を受けてキラキラと輝いている雑草が……。

 あれ?

 なんか萎れてないか?

 え?

 もしかしてオレのやる気のなさが酸性雨とかになって降り注いだとか!?

 「ちょっと様子見てくる!」

 「え!?」

 窓から飛び降りて雑草を見てみると、良く日が当たっている所は大きく成長しているのに対し、大きく成長した草の影になっている所は小さく、萎びているのが多い。

 これは、なんだっけ?間引き?が必要なのだろうか?

 間引く場合根っこから引き抜いた方が良いのか、それともプチンと茎から切れば良いのか……専門家に聞けば良いんだろうけど、そうするとオレから話しかけるって事になるしなぁ……まぁ、何本かプチンと切って部屋の中で育ててみても良いかも知れないな。

 もし花が咲いたら、剣術の稽古で実に男臭い部屋の中が多少なりとも令嬢っぽくなるかも知れないし。

 それに、オレが水をあげて大きくなった雑草をフィンにも見て欲しいし。

 でも折角大きくなった物を切るのは忍びないから、小さいのを持っていこう。

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