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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第9章ですますわっ

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 光属性は馴染みやすいから、人に対して回復魔法が使える。だけどドラードは月属性なのにオレを回復して見せた。

 光属性以外は馴染み難いらしいから、人に回復魔法を放った所で影響を与える事は出来ない。ならどうやって馴染ませてオレを回復したのか。

 どうやったんだ?

 確かあの時ドラードはオレの部屋に数冊の魔法書と共にやってきたんだ。そして何度かオレに魔法をかけて……そうだ、枯渇寸前にまで消耗していた。

 うん?この魔力の化け物が枯渇だと?

 なら、もしかして……。

 オレは赤い石と青い石を手にとって、赤い石をドーラの前に横たえるように置き、青い石を小刻みに揺らしながら、

 「混ざるように力技で大量の魔力を流し続ける?」

 と答えてみたのだが、

 「半分当たり」

 半分しか当たらなかった。

 枯渇寸前だったのだから、大量の魔力を流し込んだ事には違いないだろう。ならその理由?闇雲に流した訳ではないんだな?

 魔力が力技で混ざるのなら、誓いを立てる云々は関係なくなるし、誓いを立てた者以外でも回復は出来そうだ。それが無理なんだから、それなりに特別な事……儀式的な?

 高い魔力を持った者は自分の怪我を回復させる事が出来る……自分だけ回復させられるのが普通……。

 自分にしか効果を発揮しない回復を、相手も回復させられるようになる誓い。誓った者しか回復出来ないのなら、何か回復できるようなスイッチ?的なものを相手に渡すとか?

 何も受け取ってませんけど……待てよ?さっきドラードは騎士との違いについて説明してたな。確か、騎士は人と人が交した決まりの上に成り立っている。だっけ。この言い方だと魔術師の誓いは人が交した決まりの上には成り立っていないと受け取れる。そして誓いの破棄は出来ないと言い続けているドラード……。

 破る事も出来る人同士の決まりではなく、もっと強固な意志の元で交された誓い?

 誓った相手が主になるって言い方だったから対等ではない……それにドラードは前に1度オレの事を実際に主と呼んだ。

 なんだろうな、なんとなくは分かった気がするけど、ハッキリとは分からない。前世のゲーム風で言うならば血の契約とか、なんかその辺かな?ってのだけは、なんとなく……。

 「ごめん、簡単に破棄出来るものじゃないって事だけしか分からない」

 大人しく降参だ。

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