表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第9章ですますわっ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

208/706

19

 スティアが淹れた紅茶をグイッと飲み干し、黙ったまま窓際まで歩いた。

 呼びかける者も、呼び止める者もいない中で振り返れば、2人それぞれ感情のこもった目でオレを見ていた。

 こうして見てるとキャラクター化してるなんて思えないんだから、良く出来てるよ。

 「お茶、ご馳走さん。なんかの特訓中?に悪かったな。じゃあ」

 本当に何でそんな自然なんだ?

 オレに白い目を向けてくる者なんて吐いて捨てるほどいるんだよ。だけど本当にさ、白々しいと言うのか、あぁイベントだな?って丸分かりだったからイラッとする事はあったけど、それだけ。

 こんな落ち込むなんて事、今までなかったんだけどな……。

 色々抗った気でいたのに、ナナマジックから開放したと思っていたのに、実はそれも全部イベントの中の1コマだったんだなーって思ったら、オレがエイリーンとして成す事全てが無駄で、意味のない事だったって思い知らされたんだ。

 なんかもう……色々ひっくるめて全てが恥ずかしいよ!

 「キヨタカ、待ってくれ……」

 だったら、キヨタカで成した事はどうなんだろう?

 冒険者としてのオレも、意味のないモノだったのか?

 まぁ……キヨタカがやった事なんてのは王都中の換気依頼位しかないけど……待て、この世界が姉の作り出した乙女ゲームなのなら、キヨタカは……ミズキキヨタカはこの世界のグラフィックを描いた本人だ。そしてキヨタカとドーラはその世界には存在しないキャラクターに違いないから……もしかするとイベントとも無関係でいられるんじゃないか?

 そうなると、クルスもか。

 いやいや、いい加減に学習しろよ。

 この世界に救いは無い!期待するだけ無駄!

 守り神の踏み潰し攻撃により死ぬエイリーンのオレがイベントから逃れる術は1つだけ、守り神の討伐を成功させる事。そこまでやって初めてオレはこの世界に抗う力を手に入れられるんだ。だからそれまでは何も信じないし、何も信じちゃ駄目なんだ。

 「キヨタカさん、貴方さっきからなんなんですか!?自分だけ言いたい事言って、どうしてドーラさんの話しを聞こうとしないんですか!」

 ビックリシタ……。

 いや、心底ビックリしたぁ……。

 「あ、うん……ゴメン……」

 スティアって怒鳴れたんだな……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ