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話しが一段落付かないうちに5分が経ったらしく、裏通りからドラードがノータスを連れて出てきた。
スッと出てきたその2人の様子から、初めからそこにいたんだろうなってのが分かる。って事は、シャンデリアとオレが口にした事を知る目撃者が3人になってしまった訳だ。
「ダンスパーティーの時、俺も一緒に見張ったけど、確かにあれは危ない」
思わぬ所からの証言があり、なんとかオレの狂言ではないと納得させられそうだ。そしてオレが細工した訳ではないと……いや、それはアフィオの解釈次第なのか。
「え?あの日2人でいたのか?」
ドラード、今はそこを詳しく突っ込まれると話しが長くなってしまうからサラッと流したいんだけど……友達の疑問には答えないとな。
「あれだけ存在感のあるシャンデリアが不自然でさ、気になったんだよ。けど私はあの時ドレスでしたでしょ?機動力が心配でしたの。そこに偶々ノータスが来て、それで一緒に見張ってたんだよ……でござるましてですわ」
一切の嘘はないが、果たして信じてもらえるかどうか。
信じてもらえなかった場合、やっぱり城の物に細工をした罪に問われてしまうのだろうから……えっと、一緒に見張ったと言ってしまったノータスは大丈夫だろうか?
「次があるのなら俺も誘ってくれ」
次なんて恐らくないけど、細かく説明するのは面倒だし、もう良いわ。
「分かりましたわ。それではスティア、御機嫌よう」
さぁ、今度こそ帰ってくれ。そして願わくばシャンデリアの件をアフィオには報告しないでくれ。
「お嬢様、もう少し話しを……」
「御機嫌よう」
敵と話す事なんかなにもない。
授業に出なくなったオレとの接点が極端に減った事で向こうも色々考えたんだろうな、で、仲良くなった振りをして攻撃するチャンスを伺うって結論が出ていても不思議は無い。ここでセミオンではなくスティアってのがまたいやらしい。怪我をさせた事を謝るために近付く。なんてかなり自然な筋書きじゃないか。
って事は、訓練を受けるためとの口実があるノータスもそうなのかもしれないな。
キャラクター化が解けた振りまでして、一体何の目的があるんだか。
そもそもオレは最終的に決まっているイベント、守り神との対峙をする気満々なんだぞ?態々断罪の材料を集めなくても良いってのに……オレを落し入れるって遊びでもやってんのか?
じゃあ今回のシャンデリアはオレが直々に細工を施してナナを亡き者にしようとしたって事にして、オレはこのままエイリーンを止めて完全に冒険者となろう。




