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早朝訓練の時間、オレの体力は回復しきらなかった。
それでも休む訳にもいかないのでいつものベンチ前に向かうと、嬉しい事にドラードもノータスもいて、準備運動をしている。
「エイリーン……どうした?体調が悪いのか?」
朝の挨拶も飛ばすほどにオレの顔色は悪いらしい。
「ただの寝不足ですわ。訓練が終わった後は寮に戻りますので心配無用ですわ」
これは本当にそのつもり。
クロさんとカワさんから強く言われたのは、きついトレーニングで体を痛めつけた次の日は休んで回復させる事。回復している時間に体は作られるそうなのだ。
なので今日は夕方まではゴロゴロしながら魔力を無駄に放出させて遊ぶ。その後は授業の終わったドラードと合流して夜の部にくり出すつもりだ。
ナナによるヒロインマジックにかけられていなければ、だけど。
「今日はベンチに座って指示だけくれれば良い。まずはランニングだな?」
指示を出す人間が一緒になってやらないなんて理不尽な事は嫌いなんだけど……まぁ、今日はしょうがないか。
「その後は素振りだな?」
弟子が優秀だわ。
「そうですわね。素振りが終わったら魔力の訓練にしましょう」
軽く頷いた2人は颯爽とランニングを始めたので、オレはベンチで1人暇な時間を少しばかり過ごす事になった。
とは言ってもやる事など体力の回復しかない。それもベンチに座ったまま。
座ったまま休むにはどんな体勢が1番効率的なんだろうか?
単純に寝転べば良いのか?いや、それじゃあ座ったまま休む方法の発見には至れない。
体育座りで膝を抱え込むように座る?それとも膝に伏せるようにする?
どちらも首と背中が痛くなりそうだ。第一、座りっぱなしなのならどの道尻は痛くなるだろう。
やっぱり休むには横になるのが良さそうだな。
「どっこいしょ」
全身が気だるくて、寝転ぶってだけの動作なのにも関わらずオッサンみたいな掛け声が出てしまった。
暫く寝転んでいると微かに睡魔がやって来て非常に心地良くまどろんでいたのだが、更に暖かな気配がしたので目を開けてみれば、心配そうな表情のドラードがオレに回復魔法を使ってくれていた。
ありがとう。でも、ノータスが見てる中で使っても良かったのか?




