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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第1章ですますわっ!

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 ドアの下から無言で差し出された少々カビ臭いパンを頬張りながら、自分の書いたメモを頼りに魔術の勉強をする。

 本当なら剣術の訓練も始めたい所だが、準備運動位しか出来る事はない。

 相変わらず、肌は白いし血管は青く浮かんでいるしで病的ではあるが、毎日体を動かしているから健康的だとは思う。

 鍵を壊してから本当に誰も部屋に入って来ないので風呂の準備が整う事もない。それなのに毎日良い汗をかいているのだから、さぞや汗臭い令嬢になっているのだろうと思うだろうが、ここは乙女ゲームの中。中世風ではあっても中世ではなく、描写のない細かな所は姉が常識とする事が反映されている。つまり、部屋の中に風呂とトイレがあるのだ。

 蛇口的なものはないのでシャワーというわけにもいかないが、排水はしっかりとされる。なのでトイレも水洗……ではあるのだが、ゴバシャーっと流すのではなく、タライに水を汲んで、それでザバーっと流す手動式。

 態々水を汲んできてもらわなければトイレも風呂も使い物にはならないが、水魔法が使えるオレにとってはいつでも好きな時間に使用可能!しかも、水魔法で出した水を火の魔法で良い具合のお湯にしてシャワーっぽく浴びるという、結構高度な術を駆使して快適だ。

 石鹸もあれば良いんだろうけど、いくら四角くて白い物体をイメージしても上手くいかない。

 確か石鹸はアルカリ性で、皮膚をちょいと溶かして汚れと共に落とすって感じだったと思うから、アルカリ性のものならなんだって良いと思うんだけど……ここで良さそうな代用品がパッと出てくるような秀才ならヒキコモリなんかやってなかった訳で……。

 はっ!アルカリイオン水!それなら水だからPH値をちょっと意識するだけでいけるんじゃないか?

 いや……もし、万が一強アルカリ水が出てきた場合「アラ大変☆」では済まない恐ろしい事になる。それが目にでも入った日には……。

 よし、普通のお湯で十分だよな!中性バンザイ!

 コンコン。

 おっと、もうこんな時間か。

 「エイリーン様……開けてください」

 可笑しな事を言いながらフィンがやってくるのはここの所毎日で、時間も朝食を終えた頃と決まっている。それはこの間まで本を持って来てくれていた時間だ。

 鍵を破壊してからオレの部屋には誰も入ってきていないが、こうして1日1度は必ずやって来るフィン。親父に至っては音沙汰なし。

 しかし……部屋に鍵がかけられて閉じ込められている相手に向かってドアを開けてくれって、本当に可笑しな事を言う。

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